クイズ感覚で親も中学入試問題に挑戦!
「わかるオモシロさ」「解ける喜び」を再発見してください。 

次の文章を読んで後の問いに答えなさい。

制限時間 3分 難易度★★★
筑波大学附属駒場中学校(平成27 年度 一部改)

    東京と地方とでは、どちらの方が1組の夫婦あたりの子どもの数が多いでしょうか? 住宅環境なども考慮しましょう。

日本の人口減少は重要なテーマその背景まで理解しておこう

サク実 

よく耳にする言葉なんですけど……。なんかどれも間違いのような気がしてくるんですよね〜。

先生

どれとどれを選びましたか。

サク実 

アとオです。

先生

まず、アとイはどちらか一方は間違っているはずですよね。どちらも、「合計特殊出生率とは何か」という定義ですから。

サク実 

これはアだと思います。ニュースで解説しているのを聞いたことがある気がします。

先生

そうですね。それは正解です。

サク実 

えっ! じゃあ、オは間違いってこと? 迷ったんですよね、エかオかのどっちか。

先生

どうして先にウを答えから外したのでしょうか?

サク実 

だって、普通に考えて、親は二人なんだから、少なくとも二人以上産まないと人口は減りますよね。

先生

はい、その通りです。「二人の親から二人の子どもが産まれれば、プラスマイナスゼロだよね」と、子どもたちにも説明しています。

サク実 

つまり、合計特殊出生率が2を切ると、いわゆる人口減少社会になるんですね。

先生

産まれた子がすぐに亡くなってしまう場合もありますから、統計学的には今の日本の人口を維持するには、2.07が必要だと言われています。

サク実 

なるほどー。

先生

戦後間もない頃はもっと多くて3以上必要と言われていたんですよ。昔は大人になる前に亡くなってしまう子が今よりも多かったためです。ですから、その国の医療の状況などによって、この数字は変わってきます。さて、問題はエとオです。

サク実 

じゃあ、エが正しいんですか? でも「回復」っていうのが引っかかります。子どもの数って減っている傾向にあるのかと思ってました。

先生

この表現は微妙ですよね。もしもエの選択肢だけを取り上げて、○か×かを問われたなら意見が相当分かれるでしょう。

サク実 

えー! じゃあ、どうやって考えればいいんですか?

先生

まず前半の「21世紀に入ってから最低値を示した」という部分はどうでしょう?

サク実 

それは正しい気がします。

先生

そう、これは事実です。実際のデータを見ると、戦後間もなくは4.54あったのが減少し続け、最低値は2005年の1.26です。

サク実 

ここが底になるんですね。

先生

そして、この問題が入試で出題された時点での最新の数字、2013年のデータ(※)では1.43です。

サク実 

じゃあ、少しだけど回復してるんですね!

先生

数字上はそうです。ただ、これを「回復傾向」とまで言っていいのか。そもそも2.07必要なのに、1.5にも満たないという事実は変わらない。受験生として知識がある子ほど、かえって迷うかもしれませんね。

サク実 

うーん、微妙ですね。

先生

ですが、オは明らかな間違いなので、エが正解になります。サク実さんはオは正しいと考えたのですね。

サク実 

東京には若い人が多いし、保育園が足りないとかよく聞くから、子どもが多いのかなと思って。

先生

単純な〝子どもの人数〞であれば、そうかもしれません。ただ、ここで思い出してほしいのは、合計特殊出生率とは「一人の女性が生涯に産む子どもの数」だということ。つまり、兄弟が多い方が数字は上がります。

サク実 

そう言われてみると、東京って家は狭いし、晩婚化も進んでるし、兄弟の少ない家庭が多いかも。

先生

実は、東京都の合計特殊出生率は断トツの最下位なんですよ。

サク実 

知らなかった! 

先生

人口問題は入試にもよく出題さ れる重要なテーマ。その背景まで、し っかり理解しておきましょう。

一人の女性が一生のうちに産む子どもの数の平均 を、合計特殊出生率と言います。今の日本の人口を 維持するには、2.07 必要とされています。日本の合 計特殊出生率は、戦後間もない1947 年には4.54あ りましたが、高度経済成長期を経て大きく減少し、 2005 年には1.26という戦後最低の数値となりまし た。その後、やや持ち直し、2013 年には1.43となっ ています。都道府県別に見ると、2013 年の統計で 東京都が1.13と最も低く、沖縄県が1.94と 最も高くなっています。
A.ア、エ

子どもの数が増えない限り、人口減少に歯止め はかかりません。社会全体で対策を考えていく 必要があります。

遠藤 健雄先生
四谷大塚津田沼校舎主任教授。「難しいことを易 しく、易しいことを深く、深いことをおもしろく」 が座右の銘。

「合計特殊出生率」って言葉は 聞いたことあります!  でも意外と、その中身はわかって なかったかも。

志琴サク実さん
仕事も家事もサクサクこなすキャリアウーマン的お母さん。子どもは小4の娘

取材・文/西田知子 写真/石井和広、山本倫子 イラスト/曽根愛

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