私たちは、自然の脅威から身を守ったり、より安全に、便利に生活していけるよう、身の回りの製品から社会の成り立ちに至るまで、人間のつくりだした「人工的なもの」によって支えてもらっています。私たちは、読書によって、そうしたモノ・コトの多さも知ることができるのです。今回は、社会・理科的な分野が主ですが、現実や素材を具体的に見つめることで、自分の視野や発想を広げる手がかりを、つかんでいただきたいと思います。

まず低学年には『ゾウの森とポテトチップス』。私たちがポテトチップスを1袋食べるたびに、ボルネオ島のゾウたちに何が起きているのか。豊かな暮らしの裏で見えない犠牲が生まれていることを感じてほしいですね。また、たまねぎはハンバーグやカレーなど子どもたちが好きな料理に必ず入っている野菜。『たまねぎちゃん あららら!』は、食材の好き嫌いを無くしてほしいと思って取り上げました。『たまごでつくる』には、卵料理のレシピが満載。普段自分たちが食べているものについて考えるきっかけにぜひ!

高学年には『できるまで大図鑑』。アイス、せっけん、鉄など、さまざまなモノができる過程が収録されています。日常の多くのモノが、誰かの発明品と気づくと、また新しい視点が生まれます。『新装版 江戸の町(上)巨大都市の誕生』では、当時、世界一を誇った江戸の街がどのようにしてできたかを検証。都市がつくられていく過程がよくわかります。『グーテンベルクのふしぎな機械』は活版印刷についての本。この機械の登場で、大量印刷が可能となり、識字率もアップ。文明の進歩に貢献した機械の誕生物語です。

ほかに、リサイクルやゴミを出さないことの大切さを教えてくれる『ゴミを調べる〈1〉衣・食生活とゴミ』(さ・え・ら書房)もおすすめです。

麻布では家庭科の授業を生活科学に置き換えて、人工調味料やリサイクル問題などについても皆で考えています。これからは男女問わず、そういうことに関心を持った方が良い時代です。身の回りのモノが、どこでどのようにつくられて、その裏にはどんな現実があるのか。それらを知ることで、何かあった場合でも、自分なりの選択ができるようになる。そうした経験が、生きる知恵につながっていくと思います。

『ゾウの森とポテトチップス』

横塚眞己人【著・写真】
12年刊/そうえん社/ 1,300円+税
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私たちの豊かな生活を
支えている〝犠牲?とは?

私たちが何気なく食べているポテトチップス、毎日使っているシャンプーや洗剤。これらが南の島・ボルネオ島の象たちを脅かしている……? 自分たちの暮らしを豊かにするために、見えないところでどんな犠牲が払われているのかを知りましょう。

『たまねぎちゃん あららら!』

長野ヒデ子【著・絵】
12年刊/世界文化社/ 1,000円+税
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優秀食材のたまねぎ。その家族が料理に大変身し、子どもたちの「大嫌い」を「大好き」に。

『たまごでつくる たべもの教室⑤』

家庭科教育研究者連盟【編】

88年刊/大月書店/ 1,800円+税
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子どもは料理しながら素材の知識を深めます。レシピはもちろん食生活の知恵も学べます。

『できるまで大図鑑』

小石新八【監】、荒賀賢二【絵】

11年刊/東京書籍/ 4,700円+税
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私たちの生活の中は
つくられたモノでいっぱい

お豆腐、こんにゃく、せっけん、鏡、鉄、高速道路や建物など、身近なモノがつくられていくプロセスを楽しくわかりやすいイラストで解説しています。これを読んで周囲を見渡してみましょう。身の回りのモノたちをまた別の視点で見ることができます。

『新装版 江戸の町(上) 巨大都市の誕生 (日本人はどのように建造物をつくってきたか)』

内藤昌【著】、穂積和夫【絵】
10年刊/草思社/ 1,600円+税
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江戸の街はどのように計画され、つくられていったのか。イラストと文章でわかりやすく紹介。

『グーテンベルクのふしぎな機械』

ジェイムズ・ランフォード【著】、千葉茂樹【訳】
13年刊/あすなろ書房/ 1,500円+税
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本はどのようにしてできたのでしょうか。その源となる印刷機の誕生物語をお届けします。

『橋をかける 子供時代の読書の 思い出』


美智子【著】
09年刊/文藝春秋/ 933円+税
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美智子さまの読書体験
についての講演を収録

戦時中に少女期を過ごされた美智子さまにとって、心の支えだった読書。ご自身の読書体験から、未来に希望と平和を祈った一冊。

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