右:『ときめき昆虫学』メレ山メレ子【著】/ 14年4月刊/イースト・プレス/ 1,600円+税 Amazonで購入
左:『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』渡辺佑基【著】/ 14年4月刊/河出書房新社/ 1,400円+税 Amazonで購入

子どもの頃は昆虫採集もしたけれど、大人になったら虫が苦手になっていたという皆さん。『ときめき昆虫学』を手にとってみてください。著者のメレ山メレ子さんは、秋田犬「わさお」をブログで紹介し、全国区の人気者にした会社員。表紙のもふもふした生き物はなんだろう?と気になった時点で、虫にときめくための「スイッチ」はオンになっています。

親しみやすく美しいチョウから、害虫として忌み嫌われるゴキブリまで。20の虫が取り上げられています。何よりもいいなあと思うのは、虫に対する距離のとり方。メレ山さんは一生懸命世話をしている幼虫に臭いツノを出されても〈ビタイチ心が通わない感じが虫飼育の醍醐味〉と受け止め、気持ち悪い部分は気持ち悪いと言います。虫の魅力を伝えたいからといって、人間の都合にあわせて虫本来の姿を歪めることはしません。とっつきにくい虫でも生態を詳しく知ることで、愛着がわいていくように書いているのです。

また、虫について教えてくれる専門家とのやりとりも、敬意をこめつつユーモラスに綴っている。虫を通して人間への興味も深まります。各章の扉ページには取り上げる虫をモチーフにした作品を掲載し、写真も造形や生態のおもしろさが際立つものばかり。さらに虫のことを知りたいときに役立つ本や虫に会える場所の情報も満載です。子どもと一緒に身近な虫を観察してみたくなることでしょう。

渡辺佑基さんの『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』は、野生動物に記録計をつけて行動を追跡する「バイオロギング」という研究手法と、そこから得られた最新の成果について、生物学者がわかりやすく解説した本です。水槽や檻の中に閉じ込めずに、野生動物の生態を明らかにしたい!という夢を試行錯誤しながら実現した研究者たちの情熱に引き込まれます。

渡辺さんが無類のペンギンファンになるきっかけになった〈ペンギン列車〉の描写、マグロは時速80キロで泳ぐという定説を覆すところなど読み応えあり。〈ペンギンのような生態系の頂点にたつ捕食動物は、天敵がいない代わりに種内の争いが熾烈である〉という一節にはハッとしました。それって人間にも当てはまるような……。動物について学ぶことは、人間について学ぶことにもつながるのです。




『月と六ペンス』
サマセット・モーム【著】、金原瑞人【訳】
14年4月刊/新潮社/ 630円+税
Amazonで購入
突然、妻子を捨てて画家になったストリックランド。どんなに困窮してもかまわない。情熱のおもむくままに、ロンドンからパリ、タヒチへと流れていく。天才の波乱に満ちた人生を描いた、読み出したら止まらない名作。





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