人が生きていく上での本質的な満足とは、ギリギリだと思っていた自分の気持ちの中に、まだ余裕や奥行きがあると知ったときに得られるのではないかと思います。そのきっかけは、逆転の発想だったり、今までとは異なる視点だったり……。そんな心の成長につながる発見をうながす本を選びました。 

低学年には、留め金のネジや家の窓などを顔に見立てて紹介する『まちには いろんな かおが いて』。ひょうきんだったり、物憂げだったり、さまざまな表情に出会うことで、いつもの町が違って見えるかもしれません。

『いのちをいただく』は、食肉業で働く坂本義喜さんのお話。食物に対する意識を少し広げて、命をいただいて食べていることがわかるだけでも、ものの見方が変わると思います。『みんなそれぞれ』では、飛ぶ、迷うなど、さまざまな〝うごき言葉.を色鮮やかなイラストで紹介しています。ほかに、人体の外側、内側をわかりやすく紹介する『はじめてのからだえほん』(パイインターナショナル)もおすすめです。

高学年向けには『ぼくたちは なぜ、学校へ行くのか。』冒頭に16歳の人権運動家、マララ・ユスフザイさんの国連演説やパキスタンの写真が掲載されていて、学ぶことに対する自覚を呼び覚ましてくれる内容となっています。

『美術館にもぐりこめ!』では、美術館の裏口通路、展示物の搬入のことなどについて触れています。来場者として知る美術館とは違った側面を見ることで、新たな視点を得てもらえたらと思います。『いきのびる魔法』は漫画ではありますが、集団の力を借りたさまざまな暴力から、身を守る方法を教えてくれる良書と言えるでしょう。このほか、東日本大震災でなぎ倒された陸前高田の木材を使ってバイオリンをつくるなど、楽器について目から鱗が落ちるような情報が掲載されている『いのちのヴァイオリン』(ポプラ社)もおすすめ。

いよいよ新学期が始まりました。ある瞬間、ステップアップした自分を認識できることもあれば、一方で自信を失ったりすることもあるかもしれません。そんなときは、トーンダウンした自分に浸ってみるのも大事なこと。さまざまな自分を受け入れつつ、呼吸をするように、勉強に取り組んでほしいと思います。

『まちには いろんな かおが いて』

佐々木マキ【著・写真】
13年刊/福音館書店/ 800円+税
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小さなきっかけで
見える世界が変わる!?

町を歩いて見つけた、さまざまな“顔”を集めた写真集。マンホール、公園の遊具などには、よく見るとさまざまな表情が潜んでいます。そんな“顔”に気づくと、いつもの町の景色が違って見えたり、気分が変わったりするかもしれません。

『いのちをいただく』

内田美智子【著】、諸江和美【絵】
佐藤剛史【監修】
09年刊/西日本新聞社/ 1,200円+税
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食肉センターで牛を“解く”坂本さんのもとへ、
ある日1頭の牛と女の子がやってきて……。

『みんなそれぞれ』

tupera tupera【著】
14年刊/ PHP研究所/ 1,300円+税
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色鮮やかなイラストとともに、多様性を楽しむことで、言葉を見直すきっかけに。

『ぼくたちはなぜ、学校へ行くのか。 マララ・ユスフザイさんの国連演説から考える』

石井光太【著】
13年刊/ポプラ社/ 1,500円+税
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学校とは自分にとって
どんな場所なのだろう

世界には「学校に行ったら殺すぞ」と言われる地域もあるという話を引き継ぎながら、作者は読者に「なぜ学校に行くんだろうね」と問いかけます。子どもたちにとって、学校とはどういった存在なのか。学校に対する意識を前向きに引き戻します。

『美術館にもぐりこめ!』

さがらあつこ【著】、さげさかのりこ【絵】
13年刊/福音館書店/ 1,300円+税
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普段は見られない美術館のバックステージを知ることで、どんな発見があるだろう?

『いきのびる魔法
-いじめられている君へ-』

西原理恵子【著】
13年刊/小学館/ 1,000円+税
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もしも君が追い詰められたら……。常識を覆すことで、困難を生き延びる術が見えてきます。

『泥だらけのカルテ
家族のもとに遺体を帰しつづける
歯科医が見たものは?』

柳原三佳【著】
14年刊/講談社/ 1,200円+税
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釜石の歯科医師から
始まった地域の復興

東日本大震災で亡骸となった患者さんを歯形で確認する作業を続ける歯科医・佐々木憲一郎先生。地域の人々を復興へと駆り立てた、その信念とは。

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