仲間の音に耳を傾け合奏練習を積み重ねる

ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器だけで構成される、聖光学院中学校・高等学校の弦楽オーケストラ部。

「毎年、新入部員の経験者の割合は全体の半分ぐらいです。初心者には先輩が丁寧に指導を行います」(部長・岡慎平くん)

そして、2年ほど練習を続けると、簡単な曲が弾けるようになります。

「しかし、譜面を見ながら音程を外すことなく弾けるというのは、まだ弦楽合奏のスタートラインに立ったというだけです。そこから、みんなで音程や音の強さを合わせて、一つの音をつくっていくことがオーケストラの醍醐味です。当然、弓の弾き方などが一人ひとり微妙に異なるので、互いに相手が奏でる音に耳を傾け、何度も調整を行います」(岡くん)

その成果を発揮する晴れ舞台の一つが定期演奏会です。2年前に完成したばかりの音楽ホールに部員の家族などを招待し、演奏を披露します。

「1400人を収容できる音楽ホールは音響がすばらしく、自慢の施設です。また自慢と言えば、トレーナーの千原友子先生も、当部には欠かせない存在です。千原先生は、オーケストラ団員としてドイツやイタリアで活躍してきた経験を持ち、同校では10年近く指導をしてもらっています」(顧問・川島晃先生)

同部のOBには、高校卒業後も演奏を続ける人が多く、中には東大オーケストラ部のコンサートマスター(指揮者とともに演奏を取りまとめる役割)を務める人も。

「社会に出てからも地域や職場などのオーケストラに参加し、人生を豊かにできるのが楽器演奏の魅力です。ただ、弦楽器は中高生が習うには難しい楽器であり、努力してもすぐには成果が出ないことが多いものです。しかし、その体験を乗り越えることで、忍耐力が磨かれます。さらに合奏練習を通して、"○○くんは演奏が少し粗いときがあるけど迫力のある音を出す""○○くんが奏でる優しい音色を手本にしよう"などと、互いの個性を認め合う姿勢も育んでいるように感じます」(川島先生)

先輩と後輩の絆が強いことが一番の自慢。部員たちは皆、勉強と部活をしっかり両立させ、第一志望の大学に入学した後も演奏を続けるOBが多い。

川島先生が、既存の曲をアレンジした曲の楽譜をコピーして全員に配る。練習中は、川島先生や千原先生の指示を楽譜にメモするため、2Bなどの濃い鉛筆も必須アイテム。

今年の春に高3になる部員が半数近くを占めるため、新しいメンバーを増やすことが課題。一方、オーケストラを一生の趣味とし、音楽の奥深さを追究することも大きなテーマ。

取材・文/二本木昭 写真/東京フォト工芸(松谷祐増)

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