クイズ感覚で親も中学入試問題に挑戦!
「わかるオモシロさ」「解ける喜び」を再発見してください。 |
|
右の表は、各項目における全国の都道府県の1位と47位を示したものです。この表に関する後の問いに答えなさい。
項目 |
1位 |
47位 |
面積 |
北海道 |
① |
人口 |
東京都 |
② |
出生率 |
沖縄県 |
③ |
高齢者人口率 |
③ |
沖縄県 |
農業生産額 |
北海道 |
東京都 |
なす収穫率 |
④ |
北海道 |
工業生産額 |
⑤ |
④ |
工場数 |
⑥ |
② |
森林面積 |
北海道 |
⑥ |
※矢野恒太記念会「データでみる県勢」より作成。統計は2010年あるいは2011年
問 次のア~カの文は、①~⑥の都道府県のいずれかに関して説明したものです。
ア 全国一の生産額をあげる( )工業地帯の中心となっている
イ 梨の生産が多く、日本海に面した( )砂丘では、らっきょうなどの栽培が行われている
ウ 車と列車の両方が通行できる( )大橋によって本州と結ばれている
エ 北緯40 度と東経140 度が交わり、( )半島のつけ根にある八郎潟は、米の生産地として知られている
オ 豊臣秀吉が( )城を築城し、江戸時代は「天下の台所」といわれて栄えた
カ ( )平野にはビニールハウスが立ち並び、野菜の促成栽培が行われている
(1) ア~カの文の( )に入る語句を答えなさい。
(2) ア~カの文にあてはまる都道府県を①~⑥までの中から1つずつ選び、番号で答えなさい。
|
制限時間 8分 難易度★★★★
筑波大学附属駒場中学校(平成25年度 一部改)
|
|
まずは、(1)のわかるところから埋めていきましょう。その答えが次の問題のヒントになります。 |
知っていることを応用・発展させるつながりを大切にして知識を定着
カチ恵 |
一瞬、「なんて複雑な問題」と思って腰が引けてしまいましたわ。 |
先生 |
そうですね。しかし、実はすべて基礎知識です。それをいろいろな方 向から確かめる問題になります。いかに自分の持っている知識を応用・発展 させて、ほかの知識と結びつけられるか。柔軟な解き方が求められます。 |
カチ恵 |
でも、どこから手をつけましょうという感じですわ。最初から順番 に解けばよろしいのかしら? |
先生 |
(1)を解けば、その答えが(2)のヒントになります。最後に両方の答えを見比べて、調整するといい でしょう。 |
カチ恵 |
なるほど。それでしたら、アは中京工業地帯ですわね。 |
先生 |
そうですね。では、何県になりますか? |
カチ恵 |
愛知県ですね。イの砂丘といえば、鳥取砂丘。そのまま、鳥取県でよろしいんですのよね。 |
先生 |
その通りです。 |
カチ恵 |
ウは瀬戸大橋。「本州と結ばれている」とあるので、四国の方ですから、確か香川県ですわね。 |
先生 |
正解です。 |
カチ恵 |
エの半島というのが思い出せませんわ。男鹿半島だったかしら? |
先生 |
はい、さすがですね。 |
カチ恵 |
ということは、秋田県ですわ。オは大阪で大阪城。最後のカはどうしても思い浮かびそうにありません。 |
先生 |
(2)に進みましょうか。 |
カチ恵 |
①は面積の一番小さい県ですから、香川県ですわね。 |
先生 |
これはすぐにわかりますよね。
|
カチ恵 |
②は人口の一番少ない県ですから、鳥取県です。 |
先生 |
正解! |
カチ恵 |
③は出生率が低く、高齢者人口が多い県ですね。(1)の答えから考えると……。秋田県でしょうか? |
先生 |
はい、そうですよ。 |
カチ恵 |
次はなすの収穫量……。もしや、なすといえば高知県? (1)のカも高知平野でよろしいのかしら? |
先生 |
まさにヒントになりましたね。平野の答えは出づらいんですよ。日頃、使うことのない言葉ですから。 |
カチ恵 |
「◯◯平野」という言い方はほとんどしませんものね。 |
先生 |
大人には難しいと思いますよ。さて、後はもう簡単ですね。 |
カチ恵 |
業生産額が一番多いのは愛知県。最後に残ったのは大阪府ですね。 |
先生 |
パーフェクトですね。 |
カチ恵 |
まあ、うれしいですわ。それにしても、大阪は東京より森林が少ないんですのね。 |
先生 |
23区内は森が少ないんですが、西部の奥多摩町や檜原村は森林に恵まれています。大阪は平野が多いので、森林面積の割合は20%くらいしかありません。 |
カチ恵 |
そうでしたのね。知っているようで知らないことって多いですわ。 |
先生 |
パーフェクトですね。 |
カチ恵 |
こういうことをぜひお子さんに話してあげてほしいですね。親が向き合って対話したり、上手に質問をすれば、子どもの知のつながりは拡大していきます。その積み重ねで世界が広がり、知識が定着していくんです。 |
先生 |
この問題だけを見ても、話題になりそうなことがたくさんありますものね。うちの子にも、もっといろいろな話をしてあげたいと思いますわ。 |
|
|
A.(1)ア:中京 イ:鳥取 ウ:瀬戸 エ:男鹿 オ:大阪 カ:高知
(2)ア:⑤ イ:② ウ:① エ:③ オ:⑥ カ:④
(1) アは愛知県。全国一の工業生産額をあげる中京工業地帯の中心となっています。イは鳥取県。梨の生産で知られ、鳥取砂丘の周辺では、らっきょうや長いもなどの栽培が行われています。ウは香川県。瀬戸大橋によって本州と結ばれています。エは秋田県。八郎潟(大潟村)では北緯40度の緯線と東経140度の経線が交わります。オは大阪府。豊臣秀吉が大阪城を築城し、江戸時代に「天下の台所」と呼ばれていました。カは高知県。高知平野ではビニールハウスなどを利用して、なすやピーマンなどの促成栽培が行われています。
(2) ①日本で一番面積の小さい都道府県は香川県です。②日本で一番人口の少ない都道府県は鳥取県です。③日本で一番出生率が低く、高齢者人口率が高い都道府県は秋田県です。④日本で一番なすの収穫量が多く、工業生産額が少ない都道府県は高知県です。⑤日本で一番工業生産額が多い都道府県は愛知県です。⑥日本で一番工場数が多く、森林面積が少ない都道府県は大阪府です。
|
|
 |
知識を支える土台は家庭にあります。子どもの人格を認め、向き合いながら、知る喜びを育む家庭力を磨きましょう
齊藤 啓先生
四谷大塚渋谷校舎専任講師。趣味は築地めぐり。市場から"食"を洞察している。 |
 |
一見難しそうですが、よく読めば問われている内容は基本がほとんど。落ち着いて取り組めばできますわよね。
真堅カチ恵さんさん
何ごともカッチリ、キッチリ進める教育お母さん。子どもは中2と小6兄弟。 |
取材・文/西田知子 写真/アーク・フォトワークス(清水亮一)、石井和広 イラスト/曽根愛
知識を深めるの記事を読んだ人はこの記事も読んでいます。