才能というのは、自分では気づいていないものであったり、逆に欠点と思っていたことであったり……。大切なのは、"どんなことで人を喜ばせることができるのか"ということ。そこに自分だけの可能性、つまり才能が潜んでいると思うのです。今回は「才能」をテーマに本を選びました。

低学年向けには『かたあしだちょうのエルフ』を。アフリカの動物たちの間で人気者だったダチョウのエルフ。ライオンに襲われ、一度は自分の喜びを失いますが、新たな役割を見出す姿に感動を覚えます。『あたまをつかった小さなおばあさん』は、寒さをしのぐためにアヒルの羽を刈るのではなく、家の中でアヒルと過ごすことで暖を得るなど、考えることのおもしろさを伝えてくれるお話です。『はちうえはぼくにまかせて』は、植物の世話が大好きな男の子のお話。好きなことを一生懸命やらせてもらえる幸せについて描かれています。また、なぞなぞ好きもひとつの才能かもしれないと思わせられる『なぞなぞのすきな女の子』(松岡享子/学習研究社)もおすすめしたい一冊です。

高学年向けの『みどりのゆび』は、勉強が苦手で学校を辞めさせられてしまった男の子が、おじいさんに園芸の才能を見出され、それを天職にしていくというお話。本人は自覚のなかった才能を見出す人がいて、そこからやりたいことを仕事にするというストーリーはとても魅力的です。『ネコの目からのぞいたら』の主人公は識字に問題があり、勉強がうまくいかないのですが、ある日猫と心を通わせられる能力が開花。彼の欠点とも言えるところが、才能の証明だったというところがいいなと思います。『みにくいおひめさま』では、すべてが備わっているのに、残念ながら美しさだけは持ち合わせていないお姫様が、あることを通して、表情の美しい女の子に生まれ変わっていきます。「自分にもできる」という自信が、才能を開花させることを感じさせてくれるお話です。

受験が迫ったこの時期は、どうしても自分を他人と比べてしまいがち。心に余裕がなくなるときだからこそ、たまには足を止めてみてください。自分だけの素質や可能性について考えてみるのも、気持ちを楽にするひとつの方法かもしれませんね。
(私立麻布中学・高校国語科教諭(現代文)中島 克治先生)

『かたあしだちょうのエルフ』

おのきがく【著】
70年刊/ポプラ社/ 1,050円
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片足を失ったエルフが
見出した新たな役目

強くてやさしいエルフはアフリカの動物たちの人気者。ところがライオンに襲われて片足を失い、仲間たちを守れなくなってしまいました。時が経つにつれ、その存在は忘れられていきましたが、エルフはあるものとなって、仲間たちを守り続けました。

『あたまをつかった小さなおばあさん』

ホープ・ニューウェル【著】、松岡享子【訳】
70年刊/福音館書店/ 1,575円
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少々とんちが利いた内容で、頭を使って考えることのおもしろさをおばあさんが教えてくれます。

『はちうえはぼくにまかせて』

ジーン・ジオン【著】、もりひさし【訳】
81年刊/ペンギン社/ 1,260円
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あらゆる鉢植えを家で預かる男の子。一生懸命に好きなことに打ち込む姿に心打たれます。

『みどりのゆび』

モーリス・ドリュオン【著】、安東次男【訳】
77年刊/岩波書店/ 672円
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欠点がいつしか才能に
大人にもおすすめの本

勉強は苦手だけど、植物を育てる才能はピカイチの男の子。おじいさんにその能力を見出され、園芸を天職として仕事をし、戦車を植物だらけにするなど、その才能を使った自分の使命にも目覚めていきます。子どもはもちろん、大人にも読んでほしい一冊。

『ネコの目からのぞいたら』

シルヴァーナ・ガンドルフィ【著】、関口英子【訳】
13年刊/岩波書店/ 1,785円
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猫と心を通わせられる男の子が、ある日猫の目を通して、女の子が誘拐されるのを目撃し……。

『みにくいおひめさま』

フィリス・マッギンリー【著】、まさきるりこ【訳】
09年刊/瑞雲舎/ 1,575円
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唯一、美しさだけ持っていないお姫様。あることを通じて、表情の美しい女の子に変わります。

『小林一三 学習漫画 世界の伝記NEXT』

海野そら太【漫画】
石川憲二【シナリオ】、向山建生【監】
13年刊/集英社/ 945円
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