第45回

性格が明るい人は頭がいい?

性格は血液型ではなく脳に左右される

あなたのお子さんの性格を、ひと言で表すなら、どんなタイプでしょうか? 

明るい、静か、マイペース、几帳面……。兄弟姉妹でもそれぞれの個性があり、親としてはそれが子育てのおもしろさかもしれませんね。 

今回は、性格と脳の関係についてお話ししたいと思います。

A型の人は几帳面、B型は自己中心的など、誰しも血液型による性格判断の話題で盛り上がったことが、一度はあるのではないでしょうか。

血液型と性格の関連については、以前より議論はされてきましたが、未だ学術的な証拠はなく、残念ながら〝占い.の域を出ていません。それでも日本で血液型占いが根強い人気を誇るのは、それぞれの血液型の人口が、比較的バランスよく分布している国だからかもしれませんね。

では、人の性格は一体何に左右されるかと言えば、実は脳の中のホルモン(神経伝達物質)の種類と量により、性格が変わってくることがわかっています。

たとえば、人間の意欲や活力のもととなる「活性系」の脳内ホルモンに、ドーパミンがあります。これを伝達物質とする脳内の神経を多く使っている人は、明るい性格で好奇心旺盛、前向きな思考や行動を取りやすくなります。同じ脳内ホルモンであるセロトニンは、安静、安心を促す作用を持つ「癒し系」。したがって、このセロトニン系の神経を多く使う人の性格は、内向的で行動も慎重な場合が多いのです。

私は脳外科医として数多くの患者さんと接してきましたが、その中で気づいたある事実があります。

脳の治療を受けている患者さんを比べた場合、性格が明るい人のほうが、暗い人より回復が早いのです。

これはおそらくドーパミン系の神経をよく使うほうが、病気が治りやすいからだと推測されます。また、植物症などで脳の働きが低下してしまった人は、ドーパミンの活性も下がることが知られており、脳とホルモン、そして性格には深いつながりがあることが明らかになっています。

明るい性格のほうが頭がよくなる

ここで改めて我が子の性格をイメージしてみてください。詳細な分析はさておき、ポイントは「明るいか、暗いか」です。

結論を先に述べてしまうと、実は性格が明るいほど、脳が判断・思考回路をよく使うため、頭がよくなりやすいと言えます。 

それを説明するために、まずは性格が明るいとはどういうことかを考えなければいけませんが、そう難しいことではありません。おもしろそうだ、興味がある、好きになった……。物事に対して、こういった前向きの感情を抱く事が多い場合、性格が明るいと言ってよいでしょう。 

子どものうちから、何事にもプラスの感情を持って取り組む習慣がついていれば、脳内はドーパミンの働きが活性化されている状態になり、結果的に思考や知能もどんどん高まって頭がよくなると言えます。

ちなみに、笑顔でいることでも、脳内ホルモンは活性化します。たとえ楽しくないときでも、無理に笑顔を浮かべていると、統一・一貫性の本能によって、次第にドーパミン系のホルモンが出るようになることがわかっています。

親の接し方で子どもの性格は変わる

では、子どもの性格を明るくするためにはどうしたらいいのか。そのヒントは、普段の親の接し方にあります。

親が「疲れた」「もういい」「できない」というような否定的な言葉を使っていると、子どもの脳にも同期発火がおこり、性格にも悪影響を与えます。 

また、いつも怒られてばかりでも、子どもの発想は暗くなってしまいます。否定語を使わず、できるだけほめてあげることで、子どもの心も明るくなっていきます。

受験の時期はどうしても、室内にいる時間が圧倒的に長くなりますが、時には自然の中に連れ出し、どきどき、わくわくする体験をさせてあげることも大切です。

子どもは感動し、笑顔になった数だけ、頭がよくなっていくと言えます。どうぞ子どものそんな機会を、意識して増やしてあげるようにしてください。

林 成之
1939年富山県生まれ。日本大学医学部卒。マイアミ大学の脳神経外科などに留学し、93年に日本大学医学部付属板橋病院救命救急センター部長に。2006年に日本大学の教授へ就任。 脳低温療法など世界的な発見で知られる脳科学の第一人者。『困難に打ち克つ脳とこころの法則』(祥伝社)など著書多数。

取材・文/國天俊治 写真/石井和広 イラスト/岸潤一

お悩み相談室
ウチの娘は算数で同じ問題をずっと考えているのですが...
大半の私立中学校の入学試験は算国理社の4教科で構成されています。この4教科のどれかひとつでも学習をお...>>続きを読む
塾弁のススメ
今月の食材 "豚ヒレ肉"
栄養バランスを考えたお弁当で、子どもの体をしっかりサポート。忙しい人でも手軽に料理できる、“塾弁”レ...>>続きを読む
サイトマップ
人気記事ランキング
01 特集
そのひと言が子どもを変える! 学力を伸ばすほめ方・励まし方
02 スペシャルウィーク
9歳までに身につけたい国語力
03 子育てに効く脳科学のお話
頭をよくする方法はある?

サイト内検索
 

RSS登録
これまでの特集記事



気になる記事ピックアップ
これまでに公開された記事の中から気になる記事をランダムでピックアップし、表示しています。