己に打ち克つ精神力と思いやりの心を育む

鎌倉の街を望める山の中腹にある展望台。吹き抜けていく爽やかな風に心地よさを感じます。ここは、鎌倉学園中学校・高等学校山岳部の部員たちが、毎日のように通うトレーニングコースの中にある場所。案内してくれた顧問の田嶋克弘先生は、同部の特徴を語ります。 「登山には、悪天候や危険な場所など、自然の厳しさがつきもの。その点、我が校は山に囲まれた環境なので、ハイキングコースに指定されているルートを使ったトレーニングを行っています。つまり、実際の登山と同じように、日頃から自然を体感しながら体力づくりができます」

祖父の影響で登山に興味を抱いて入部した部長の森洸太くんも、部活動の魅力を口にします。「学校で練習を重ねても、いざ荷物を背負って山に入ると、慣れないうちは本当にきつかったです。途中で歩くのをやめたいと何度も思いましたが、頂上に着いて雄大な景色を見渡すと、ここまで来てよかったと感じる。合宿でいくつもの山を歩く時は、表情の異なる景色を見られるのが楽しいです」

山岳部では、春の新人歓迎合宿、夏に行う4泊5日の合宿と、季節ごとに丹沢、谷川岳、八ヶ岳などに登ります。合宿の間は、すべての部員がそれぞれに役割を受け持つのが山岳部の鉄則。部長も例外ではありません。「装備係、食糧係、医薬係、気象係などがあり、僕は記録係。登山計画書をつくったり、登山中に休憩時間を記録するのが役割です。無事に行程を終えるためには、全員が自分の役割を果たすことが欠かせません」(森くん)

山歩きやクライミングの技術、テントの張り方、食事のつくり方など幅広いスキルを身につけると同時に、自分に課せられた役割をまっとうすることで、部員たちは責任感を身につけます。「クライミングや歩荷(荷を運ぶ)駅伝など、タイムや技術を競う大会に出場させる一方で、合宿登山では一番遅い人にペースを合わせるのがウチのやり方。克己心と同時に、人を思いやる気持ち、協調性を育む部活動を目指しています」(小林健一先生)

学校のすぐ裏手にハイキングコースがある。木々に囲まれた鳥居からスタートして、10~15分ほど階段を上がると、鎌倉の街を一望できる展望台に辿り着く。

ハーネス(安全ベルト)やザイルなど、登山靴以外の道具は部費で購入。歩荷訓練用にリュックに入れる砂入りペットボトルは、1本で約3kg。部員が海岸で拾った砂で手作りした。

毎年行われる丹沢ボッカ駅伝は、高3の晴れ舞台。ここ数年は、部長が率いるチームが優勝。「今年も優勝を狙いますが、けがや事故がないことが一番の目標です」と森くん。

取材・文/堀雅俊 写真/東京フォト工芸(桑原克典)

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