左:『ファッションフード、あります。』畑中三応子【著】/ 13年3月刊/紀伊國屋書店/ 2,520円 Amazonで購入
右:『経済と人類の1万年史から、 21世紀世界を考える』ダニエル・コーエン【著】、林昌宏【訳】/ 13年3月刊/作品社/ 2,310円 Amazonで購入

過去にどんな出来事があって、現在にどうつながっているのか。もちろん社会の授業でも習うけれど、親子で話すことも重要だと思います。着眼点がユニークな本で、歴史の流れをとらえ直してみませんか?

まずは身近な食を通して、日本の現代史を振り返ってみましょう。畑中三応子の『ファッションフード、あります。』の「ファッションフード」とは、ファッションとして消費される食べ物のことです。ティラミス、モツ鍋、粗食、ハイボール、キャラ弁など。1970年代から2010年代まで、日本人はどんなファッションフードにはまってきたのか、豊富な資料をもとに解説していきます。

食のファッション化に深く関与しているのは、70年代に創刊された「アンアン」と「ノンノ」。新しい女性のライフスタイルを提案した「アンノン」は、文学的なコピーと美しい写真で食と家事を切り離し、おしゃれな遊びにしたのです。また、ティラミスがコンビニでも売られるようになったのは「マスカポーネ」という疑似チーズの発明があったからとか、ブロイラーを売りたい商社がケンタッキーフライドチキンを日本進出させたとか、技術革新やビジネス事情がファッションフードを後押ししているということもわかる。そういう背景を知って、今の流行を見ると視野がぐっと広がります。情報に翻弄されず、うまく距離をとるためにもオススメの一冊。

もっとマクロな視点で世界史を学び直したいなら、ダニエル・コーエンの『経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える』を手にとってみてください。著者はフランス大統領のアドバイザーであり、債務問題を抱える国々の経済顧問も務める経済学者。それぞれの時代の経済状況と、経済学の巨匠たちの理論を紹介しながら、人類の歴史を概観していきます。〈十八世紀初頭、ヨーロッパ人は中国人より平均的に裕福だったが、それはヨーロッパ人が不潔だったからだ〉といった好奇心を刺激するツカミで読者を牽引する。とても読みやすくおもしろい本です。

特に市場経済と民主主義と暴力の関係についての記述がある第12章は考えさせられました。子どもたちが大人になったとき、少しでも生きやすい社会であるように、過去の事例からヒントを得たいものです。




『俺俺』
星野智幸【著】
13年4月刊/新潮社/ 578円

なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった「俺」。3日後、騙した相手が部屋にやってきて、なぜか「俺」を本物の息子のように扱う。自己認識の曖昧さをシニカルに描いた長編。映画が5月25日から公開予定です。




今月の新刊案内
深まる秋を彩る秀逸な物語たち
児童文学のノーベル賞とも言われる国際アンデルセン賞作家賞を受賞した上橋菜穂子さん。大人も夢中にさせる...>>続きを読む
今月の新刊案内
仕事について考えてみる秋
「子どもには世界を視野に入れて夢を追ってほしい」と考えているお父さんお母さんに、ぜひ読んでいただきた...>>続きを読む
サイトマップ
人気記事ランキング
01 特集
そのひと言が子どもを変える! 学力を伸ばすほめ方・励まし方
02 スペシャルウィーク
9歳までに身につけたい国語力
03 子育てに効く脳科学のお話
頭をよくする方法はある?

サイト内検索
 

RSS登録
これまでの特集記事



気になる記事ピックアップ
これまでに公開された記事の中から気になる記事をランダムでピックアップし、表示しています。