子どもの頃からコンピューターやゲームが好きだったと語る長谷川晶一先生。高校生の頃からCGやバーチャルの分野にも、自然と興味を持つようになりました。

特に力を入れているのが、インターフェースに関する研究です。
「人間が機械を使用するときに操作する部分のことを、ヒューマンインターフェースと言います。パソコンであれば、キーボードとマウスがこれに当たります。コンピューターを新たな用途に使おうと考えた場合、人との関わり方を調べ、ITをどう組み込むかを検討することがカギを握ります」

長谷川研究室では、さまざまな研究にチャレンジし、スキーの上達支援システムや散歩のナビゲーション、介護用ロボットなど、その成果は多岐に渡ります。
「インターフェースを人間にとって最も使いやすい形にすることも、重要なテーマです。たとえば、スキー上達支援システムを使う場合、スキーをしながらパソコン画面を見ることは難しいでしょう。そこで機械から発せられる音の高低で、スキーのレベルアップに欠かせない重心移動の様子がわかるように工夫しました」

最近では、バーチャルな世界で、現実世界の生き物の動きを再現することにも挑戦しています。
「興味のある物に対して視線を向けたり、体を動かす生き物をパソコン上でつくりました。興味のある物が複数あるときに意識と感覚をどれに向けるかといった生き物らしさに関わる要素を組み込んでいますが、正確に再現するのはなかなか難しい。しかし、さらに研究を発展させれば、人間らしい動きをするロボットの開発などに役立てることができるでしょう」

現実と同じように生物や物体の動きを再現するには、物理法則に基づいて数式を考え、そこから導かれるプログラムをコンピュータに入力する必要があります。
「生き物の感覚や身体の質量、身体が移動するスピードなどを計算して、プログラムをつくります。たとえば私たちは、複数のおいしそうな料理がテーブルに並べられると、その人の興味に応じて目移りした後、最初に食べたいものに手を伸ばします。そうして一連の動作の元になる数式を見つけ出すのです」

長谷川研究室では、学生たちもユニークな研究に取り組んでおり、ある学生は料理シミュレーションマシンを開発しました。
「この研究では、フライパンをヒューマンインターフェースにしています。フライパンとパソコンを配線でつなぎ、パソコン上で作った野菜や肉をフライパンに映せるように実験装置を組み立てました」

フライパンに料理が映るだけでなく、加熱時間によって肉や野菜の色が変化します。
「この研究においても、まずは数式を考えることが求められます。"ガスの炎からフライパンに伝わる熱の温度はどれくらいか"、"食材が加熱されるという現象を、数式にどう置き換えればいいか"など、いろいろな切り口から問題を考えながら、プログラムを組みます」

前例のない研究に取り組むことが多いため、必要な道具が既製品の中にはないことも珍しくありません。そんなときは、学生自身が実験の装置や部品をつくります。
「私の研究室には、さまざまな素材を加工できるレーザー加工機が置いてあり、これを使って部品をつくることがよくあります。学生にはプログラミングなどを行うソフトウエアの分野と、実際に手を動かすモノづくりの両方を楽しみながら、研究を深めてほしいと思います」



東京工業大学 精密工学研究所
長谷川晶一研究室
長谷川 晶一准教授
長谷川 晶一 准教授

東京工業大学工学部電気電子工学科卒業、
同大学大学院知能システム科学専攻修了。
電気通信大学知能機械科准教授などを経て現職。

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