ものづくりの過程で築かれる信頼関係

そろいの作業服「つなぎ」に身を包み、工具を手にして、それぞれの作業に没頭する部員たち。放課後、技術工作部の活動スペースで見られるいつもの光景です。人が乗れる物を製作することを目的とし、鉄道班(鉄道模型)、自動車班(省エネカー)、船舶飛行機班(カヌーやエンジン付きボート)に分かれて活動を行っています。

部長を務める下地冬芽くんは、入学前からものづくりに興味に持っていました。
「個人では所有できないような特殊な工具や設備が充実していて、大がかりなものでも製作できるのが、一番の魅力です」

副部長の島崎耀くんは、集団行動で身についた自身の変化を口にします。
「高校生部員は学外での活動時などに、ほかの班の製作にも協力するのがルールです。上級生になるにつれて、製作面の技術向上とともに、部全体のために行動する責任感が養われます」

材料や工具の購入費、交通費などを管理する会計係の濱上立季くんは、自らの経験を踏まえて、部活動の魅力を語ります。
「会計係を任されたことで、将来役に立つ会計の知識が身につきました。ムダを減らすために材料の使い方を工夫したり、道具を大切にする気持ちが自然と生まれるのも、ウチの部のいいところだと思います」

また、楽しい乗り物を提供することで、学外の人々と触れ合うことができるのも、技術工作部の特徴です。
「大勢の人を乗せて走らせることのできる鉄道模型は、地域のイベントに招かれるほど大人気。百貨店の催事などで小さな子どもを乗せて喜ばれる体験が、全員の励みになっています」(下地くん)

さまざまな活動を引率してきた顧問の寺西幸人先生は、ものづくりに情熱を注ぐ部活動の意義をこう語ります。
「ものづくりを通じて、仲間と知恵を出し合いながら、人の役に立つことができる。この経験を積み重ねることにより、真摯に努力する姿勢が身につき、他者との信頼関係が築かれていくのです」

約20人を乗せて走れる牽引力が自慢の5インチゲージ鉄道模型。町おこしのイベントや商業施設などに引っ張りだこ。部員たちのがんばりによって、活躍の場を拡げている。

製作に欠かせない工具を大切に保管するために、自分たちで工具棚を手作りした。工具の種類に応じて細かく棚を分けるなど、使い勝手を考えた工夫が施されている。

先輩から受け継いだ精神と技術を後輩に伝えつつ、「さらなるすごいものをつくる」(下地くん)ことが目標。安全面に気を配りながら、製作の精度向上に力を入れる。

取材・文/堀雅俊 写真/東京フォト工芸(桑原克典)

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