未来を切り開く力を養うことが真の目的

共立女子中学高等学校で、毎年3月に行われる歓送会。この日、講堂に集まった卒業生と在校生に向けて、能楽部の部員たちは、稽古に励んできた舞と謡(うたい)を披露しました。美しくも力強い演技に会場の生徒たちは息を呑み、終演後には大きな拍手が巻き起こりました。

舞の一番手として登場した三村実有さんは「大勢の視線を感じて緊張しましたが、無我夢中で踊りました」と、ほっとした表情。『鞍馬天狗』を演じた水野秋佳さんは「男舞(舞踊の一種)を勇ましく舞ったことで、充実感を味わえました」と、声を弾ませます。

能楽は、日本の重要無形文化財に指定され、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている伝統芸能。ひと口に能と言っても、舞や謡には多様な流派があり、能楽部では室町時代から続く流派・観世流の先生を招いて指導を仰いでいます。

舞台で晴れ姿を披露できる華やかさがある一方、30分近くも正座をしたり、低音を響かせるために腹筋を毎日鍛えるといったハードな一面も。それでも、部員たちは能楽の魅力を口々に語ります。

「入学前に家族で何度か歌舞伎を観に行った経験がありましたが、能楽部に入ったことで、今まで知らなかったさまざまな伝統芸能に興味を持つようになりました」(木村実穂さん)
「着物の着付けを学べるのも、魅力のひとつです。姉の成人式で、母が振り袖のたたみ方がわからずに困っていたとき、私が代わりにたたんであげたら感心されました」(浅野華奈さん)

顧問として普段の稽古を見守っている米津彩先生は、 「中高の活動を通じて、生徒たちは目を見張るほど成長する」と語ります。

「演者としての技術が向上することに加えて、精神的にも成長して人の感情の機微が理解できるようになり、表現の幅が広がります。上級生の、円熟振りさえ感じさせる演技には、観ていてほろっとさせられることも。"能楽に取り組めてよかった"と言って、巣立っていく部員の姿を見送ることができるのは、うれしい限りです」

海外の舞台でも活躍されている坂井音雅先生に直接指導してもらえるのが自慢。「有名な方なのに、とても丁寧に指導してくださいます」(三村実有さん)

能楽に必要な謡を覚えるための謡本は、各部員がコピーしてファイリングする。舞に欠かせない扇は、各自がひとつずつ持ち、美しく見える使い方を日々練習する。

「能楽を観たことのない人はたくさんいます。初めて観る人が感動できるような舞台にして、ひとりでも多くの人に興味を持ってもらうことが目標です」(田中眞貴さん)

取材・文/堀雅俊 写真/東京フォト工芸(桑原克典)

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