クイズ感覚で親も中学入試問題に挑戦!
「わかるオモシロさ」「解ける喜び」を再発見してください。 

次は、ある特別天然記念物( A )について記述した文章です

 

( A )は学名をニッポニア・ニッポンといい、わが国を象徴する鳥です。100年くらい前まではふつうに田んぼで見られましたが、さまざまな理由で、日本では30年ほど前に姿を消しました。現在その人工飼育繁殖が行われ、復帰計画が進められていますが、2010年3月、新潟県佐渡市の野生復帰ステーション順化ケージで、天敵である( B )の侵入により、9匹が死亡しました。

問1 上の文章中の( A )・( B )にあてはまる生物名をそれぞれ答えなさい。

問2 下線部について、そのいくつかを図に表しました。図中の(a)~(e)にあてはまる言葉を下のア~カからひとつずつ選びなさい。

  ア.営巣地の減少  イ.湿地や森林の減少  ウ.田んぼの減少
  エ.地域住民の高齢化  オ.二酸化炭素の増加 カ.Aの身体の汚染



制限時間 3分 難易度 ★★★☆☆
市川中学校(第1回)(平成23年度 一部改)

  わかったところから当てはめましょう。
  「農薬の多用」から考え始めるとスムーズかもしれません。

絶滅危惧種のニュースは要チェック 時事問題への関心を高めておこう

カチ恵 

このニュースは、当時とても話題になっていましたわよね。最初のニッポニア・ニッポンはさすがにすぐわかりましたが、Bがどうしても思い浮かびませんのよ。確か……イタチでしたかしら?

先生

少し前のニュースですから、この問題は答えられなくても仕方がないと思いますよ。答えは「テン」です。

カチ恵 

テン? あまり馴染みのない動物ですわね。

先生

都会に住んでいると、ハクビシンなどのほうが、まだ耳にしますよね。さて、念のためAも確認しておきましょう。

カチ恵 

トキです。学名がとても印象的ですわ。

先生

発見した人が日本固有の鳥だと思って、こういう名前をつけたんですよ。でも、実際には日本に限らず、東アジアでは当たり前のように見かける鳥でした。

カチ恵 

そういうことでしたのね。今は、中国のトキを譲り受けて人工繁殖していますわよね。

先生

そうですね。2012年4月22日、佐渡島で放鳥したトキのペアから、36年ぶりにヒナがかえったんですよ。こうした絶滅危惧種に関する出題は増えています。ただ、試験に出題されるかどうかを問わず、子どもたちには知っておいてもらいたいですよね。

カチ恵 

こういう話題を入り口にして、広く環境問題についても、子どもと話し合いたいですわね。次の問題も、いろいろと考えさせられましたわ。

先生

まず、この図のどこから当てはめましたか?

カチ恵 

農薬の多用による影響を考えて、eはトキの身体の汚染だとわかりましたわ。

先生

その通りです。

カチ恵 

次に昆虫類の減少につながる理由として考えられるのは……生息地の減少。ということは、dは田んぼの減少。そして、cが地域住民の高齢化ですわね。

先生

正解です。dとcのつながりは少し難しいかもしれません。

カチ恵 

そうかもしれませんわね。ここまでくれば、あとはaがイ、bがアだとわかりました。

先生

問2はパーフェクトですね。

カチ恵 

うれしいですわ。でも、この問題は少し易しめではありませんの?

先生

そうでもないですよ。実は、間違いやすい落とし穴があるんです。

カチ恵 

あら、どこなのかしら?

先生

「二酸化炭素の増加」です。現在、最大の環境問題とされる地球温暖化に関する言葉として、子どもたちにはなじみが深い言葉です。二酸化炭素の増加、イコール地球温暖化。そして、温暖化によって絶滅の危機に瀕している生物がいることも知っているので、どうしてもこの選択肢を使いたくなってしまうんです。

カチ恵 

なるほど。ひとつの言葉にとらわれてしまうと、全体がズレてきてしまうんですね。知識があるからこそ、迷う問題というわけですわね。

先生

そういうことになりますね。ただ、こうしたニュースには、日頃からアンテナを張っておいてもらいたいです。テスト前の暗記だけでは、時事問題に対応するのは難しいんですよ。

カチ恵 

日頃から意識を高く、ですわね。そういえば、最近も絶滅した動物がいましたわよね。

先生

ニホンカワウソですね。去年、絶滅種に登録されました。もう今年の入試に出題されていますよ。

カチ恵 

まあ、もう出されているんですのね。やはり、こういうニュースはしっかりと押さえておかなくてはいけませんね。

先生

つい先日も、京都に新しいスタジアムが建設されることで、絶滅するおそれのある魚がいるとニュースになっていましたね。

カチ恵 

悲しいことですけれど、毎年のように絶滅危惧種が出てきて、入試問題の題材になってしまうのですね。さっそくチェックしたいと思いますわ。

A.
問1: A トキ  B テン
問2: a.イ b.ア c.エ d.ウ e.カ


問1:  2003年に最後の1羽の死亡が確認され、現在、人工飼育繁殖が行われている鳥は「トキ」です。その天敵は、ノネズミなどの駆除を目的に本土から持ち込まれた「テン」です。
問2:
a、b:トキは主に田んぼや湿地でえさをとり、木に巣をつくって卵を産みます。
c、d:地域住民の高齢化が進むと、稲作を行う農家が減り、田んぼが減少します。
e:農薬の多用により、汚染されたえさを食べたトキの体内に有害物質が蓄積されます。

春休みが終わり、学習習慣を見直したい時期です。最低限のことができているか、改めてチェックしてあげてください。

宇野 慶彦先生
四谷大塚巣鴨校舎専任講師。趣味はカメラ。植物や風景を撮って楽しんでいる。

動物好きなうちの子は興味を持ちそうですわ。こういうところから、環境問題に目を向けてもらいたいですね。

真堅カチ恵さんさん
何ごともカッチリ、キッチリ進める教育お母さん。子どもは中2と小6兄弟。

取材・文/西田知子 写真/アーク・フォトワークス(清水亮一)、石井和広 イラスト/曽根愛

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