第20回

『父と息子のフィルム・クラブ』

デヴィッド・ギルモア【著】、
高見浩【訳】
12年7月刊/新潮社/ 1,995円
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『ベスト・オブ・映画欠席裁判』

町山智浩、柳下毅一郎【著】
12年3月刊/文藝春秋/ 940円
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雑誌「映画秘宝」を創刊し、現在は映画評論家・コラムニストとしておなじみの町山氏と、自称「特殊翻訳家」の柳下氏の最強コンビがおくる、辛口&爆笑の映画評論集!

『シネマ食堂』

飯島奈美【著】
09年9月刊/朝日新聞出版/ 1,365円
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映画やドラマ、CMで活躍する著者が、誰もが一度は食べてみたいと思う名作映画の中の食事をレシピと共に再現。フードスタイリストの仕事現場ルポも興味深い。


カナダでテレビ・ジャーナリストとして働いていたデヴィッド・ギルモアは、学校に行きたくないという15歳の息子ジェシーに、思いきった提案をします。学校をやめても働かないで家にいていいから、自分が選んだ映画を週に三本、一緒に見てほしいと。それからの三年間の出来事を綴ったノンフィクションが『父と息子のフィルム・クラブ』です。 

学校をドロップアウトした経験があるフランソワ・トリュフォー監督の「大人は判ってくれない」を最初に見せるなど、ギルモアは映画を通してジェシーにさまざまなことを考えさせようとしますが、全然うまくいきません。恋に夢中の息子は映画になかなか集中してくれないし、父が大好きな作品に対して〈特に、なんにも感じなかったな〉と言ったりもする。こんなことをしていて、ジェシーのためになるのか。迷いは常に消えません。 

おまけに、出演していた番組の契約が切れて次の仕事が入らず、ほぼ失業状態に。息子の面倒を見るどころか、自分の暮らしを立てることすら覚つかなくなってしまったと、ギルモアがひとりトイレで涙するところは、読んでいて胸が苦しくなります。お先真っ暗な日々。映画は人生を劇的に変えてくれるわけじゃありません。でも、二人で映画を見ながら感想を語り合っていた時間は、後にかけがえのないものだったとわかるのです。 

もう一冊、映画について誰かと語る楽しさを教えてくれる本としてオススメしたいのが、町山智浩と柳下毅一郎の『ベスト・オブ・映画欠席裁判』。「タイタニック」「千と千尋の神隠し」「スター・ウォーズ」などメジャーな作品を多数俎上に載せた漫談形式の映画批評集です。あふれる映画愛と的確なツッコミで、けなされている作品も見たくなります。「かもめ食堂」のフードスタイリストとして知られる飯島奈美の『シネマ食堂』は、70の映画ゴハンのレシピを紹介した本。「クレイマー、クレイマー」のフレンチトーストとか、子どもと映画を見たあとに作ってみたら、より思い出に残る気がします。 そういえば、わたしも小学生の頃、父とよく映画を見に行っていました。自分は興味がないアクションものばかりでしたが、嫌じゃなかった。父が嬉しそうだったからでしょうね。

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