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一口に家族といっても、最近はシングルマザー(ファーザー)、養子縁組など、いろいろな形があると思います。そうした世相を反映しているのか、家族というテーマの本=子どもの成長物語とは、ちょっと違った切り口のものが最近は増えているようです。 まず、低学年におすすめなのが『かあさんのいす』。おばあさん、おかあさん、娘の女3代で暮らし、家が火事になるなどの難局を迎えますが、協力し合い、明るく前に進もうという姿勢が感じ取れると思います。『はじめてのゆうき』では、学校でいじめられていることを大好きなお父さんに言えない男の子と、そんな大事なことをなぜ言ってくれなかったんだとショックを受けつつも、新たな視点で息子と関わっていく父の姿を描いています。姉妹愛を描いた『おねえちゃんってふしぎだな』は、姉妹がいる子はもちろん、一人っ子にも読んでほしい作品です。 高学年には『クララをいれてみんなで6人』。5人家族のお母さんがおなかに赤ちゃんを宿したことをきっかけに、子どもたちがお母さんを気遣ったり、生まれてくる赤ちゃんを心配したりしながら、家族の思いがひとつになっていく過程を描いています。『国境を越えて―戦禍を生きのびたユダヤ人家族の物語』では、家族が力を合わせて越境し、さまざまな助けを借りながら新しい人生を歩むというお話。4月号の伝記で紹介した杉原千畝さんが登場人物として出ています。『丘の家、海の家族』は、シーオという1人の女の子を中心に、いろいろな関係性、年代の女性たちが交錯しながら、家族の在り方を問いかけている物語です。 このほか、交通事故で父と妹を失い、母はその後失踪。心に傷を負った少女が周囲の人々のやさしさで立ち直っていく『もういちど家族になる日まで』、それぞれの使命を抱えた父と息子がお互いの存在意義に気づいて和解していく『虹色の約束』もおすすめです。こうした本を親子で読むことで、自分たち家族の在り方をもう一度見直してみるというのも、心の成長のきっかけのひとつとなるのではないでしょうか。 |

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『かあさんのいす』
ベラ B.ウィリアムズ【著】、佐野洋子【訳】 女3人の暮らしに見える 火事で家を失ったおばあちゃん、お母さん、私。その後、アパートに住みながら家族3人で力を合わせ、忙しく働くお母さんを休ませてあげるための椅子を買うことに。男性不在の家だけれど、明るく前向きに生きる姿が印象的。挿絵も美しい。 |
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『はじめてのゆうき』そうまこうへい【著】、タムラフキコ【絵】 大好きなお父さんになんでも話すとしおだけれど、ひとつだけ隠していることがある。それは……。 |
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『おねえちゃんってふしぎだな』
北川チハル【著】、竹中マユミ【絵】 ちーこちゃんとお姉ちゃんが2人でおつかいに。その途中、ほのぼのする姉妹愛が見え隠れする。 |

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『クララをいれてみんなで6人』
ペーター・ヘルトリング【著】、佐々木田鶴子【訳】 新たな命の誕生に向け 妊娠したお母さんが病気になったことで、お父さんと3人の子どもがそれぞれ気遣い、生まれてくる子の健康を祈る。最終的には"どんな子が生まれてもかまわない"という思いが強まり……。新しい命が生まれる直前の家族の在り方を描いた本。 |
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『国境を越えて
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『丘の家、夢の家族』キット・ピアソン【著】、本多英明【訳】 孤独な少女シーオと、夢に描いていたすばらしい家族との出会いと別れ。心温まる不思議な物語。 |
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『少年天草四郎の決起
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