第17回

『こんにちは美術1 めくってたんけん!いろんな絵の巻』(全3巻)

福永信【著】
12年3月刊/岩崎書店/ 3,150円
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『みんなが知りたい水族館の疑問50』

中村元【著】
07年7月刊/ソフトバンククリエイティブ/ 1,000円
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全国の水族館を紹介するサイト「Web水族館」を運営する著者が、「魚はどこからつれてくる?」「エサ代はいくらかかる?」など、さまざまな疑問に回答する。

『愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎』

小宮正安【著】
07年9月刊/集英社/ 1,050円
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16~18世紀に盛んに作られた珍品の陳列室・ヴンダーカンマーを再発見し、紹介していく本書。本邦初公開の写真や図版など、さまざまな資料も楽しめる。


わたしの父は図画工作が得意で、子どもの頃、絵の構図をとるための道具を作ってくれたことがあります。古いハガキの真ん中を四角くくりぬいて十字に糸を貼り、フレームとして使うのです。四角い穴で切り取られた風景は、いつもと違うように見えました。美術の役割は、観る人に、いろいろなフレームを与えることなのかもしれません。福永信の『こんにちは美術』を読んで、そんなことを考えました。

本書は、子ども向けの現代美術入門書ですが、斬新な方法で作られています。同じ作品の写真を、撮り方を変えて三枚並べて見せているのです。たとえば、会田誠の「あぜ道」。あぜ道と、そこを歩く女の子の髪の分け目がつながって見えるように描いた絵画です。その全体を写した一枚と、左右を切り落として写した一枚、上下を切り落として写した一枚で構成されていますが、ほんの少しトリミングが変わっただけなのに、ぜんぜん違う絵になる。全体を写しているときはひとりで歩いているように見える女の子が、別の一枚では誰かにつけられているように見えるのです。不思議!

しかも、ただ並べてあるだけではなくて、しかけ絵本のように楽しめます。三島由紀夫賞候補になった作家でもある福永さんの文章も、シンプルでちっとも難しい言葉は使っていないけれど、発見の補助線になる。夏休み、親子で美術館に行く前に、ぜひ手にとってもらいたい本です。

夏休みに行きたい施設といえば、水族館。中村元の『みんなが知りたい水族館の疑問50』は、水族館プロデューサーでもある著者が、入場者の素朴な疑問に答えた1冊です。イルカやアシカがなぜショーをするのかなど豆知識がつくのはもちろん、水族館自体の成り立ちにも興味がわきます。

「博物館ってどうしてできたの?」と子どもに訊かれたときには、ヨーロッパで生まれた博物館の元祖、ヴンダーカンマー(驚異の部屋)について教えてあげてください。小宮正安『愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎』が参考になるでしょう。現在の博物館のように整理されていない、混沌とした世界がおもしろい。実際に見たくなったら、東京大学総合研究博物館の小石川分館へどうぞ。同大学の学術標本をヴンダーカンマー風に展示した「驚異の部屋」があります。

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