伝統が生んだ絆と競技経験が培う精神力

標的めがけて弓で矢を射、得点を競い合うアーチェリー。オリンピック種目のひとつにもなっています。

この射撃競技を部活動として長年にわたって続けてきたのが、大宮開成中学・高等学校のアーチェリー部です。その名は強豪校として知られ、団体戦ではインターハイ優勝などの栄冠を獲得。世界ユース選手権、国体などの代表選手も輩出してきました。

その強さの理由は、歴代の部員によって受け継がれてきた規律にあります。

「和気あいあいとした明るさの中にも、あいさつや目上の人との接し方を学ぶ場としての雰囲気を感じます」と語るのは、高校部長の柴田康平くん。

アーチェリーの一般的な競技形態であるシングルラウンドは、一競技で一名が合計144射するルール。雨風の強い屋外でも競技は中断することなく、ほぼ一日かけて行われるため、強靱な精神力が必要となります。高1部員の竹石久美子さんはこう言います。

「部活を始めたら自然と集中力がついて、まわりが騒がしいところでも勉強に集中できるようになってきました」

先輩たちの背中を見ながら技術を少しずつ自分のものにし、最終的には自分自身との戦いとなる競技で経験を積むことで、部員は成長を遂げます。ときには、伝統ある部活動らしい絆がその成長を助けることも。入部6年目の.櫛田康介くんは、先輩からもらった励ましの言葉の数々を胸に刻んでいます。

「競技での成績が伸び悩んだとき、先輩が自らの体験を語って励ましてくれました。力をもらった気がします」

五輪メダリストの山本博さんは同部の顧問を務めたことがあり、今もつながりがあるそうです。

「山本先生にも『調子がよかったときの状態に弓具を調整してごらん』と、具体的にアドバイスをいただきました」と櫛田くん。

練習に励む部員たちを見守りながら、顧問の長島亮介先生と関根直樹先生は彼らの将来に思いをはせます。

「積み重ねられた競技実績に恥じない成績を残すことも大事ですが、"やっぱりアーチェリー部の部員は、人間的にしっかりしている"と言われるようになることを、強く望んでいます」

「先輩たちが築いてくださったものを守るというより、自分たちはさらにそれを発展させていくのが務めだと感じています。後輩の活躍にも期待したいです」(柴田くん)

アーチェリーに欠かせない弓具は、選手に合わせて細かい調整が必要。弦を張ったり矢の長さを変えたり、部室に備えつけの工具を使って各部員が自ら調整を行うのがルール。

「全国選抜大会入賞者、世界大会日本代表など、すごい先輩方がいらっしゃることが誇りです。練習時にも競技出場時にも励みになります」(大久保くん)

取材・文/堀雅俊 写真/東京フォト工芸(桑原克典)

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