密度の高い真剣練習で培われる不屈の精神

号令とともに、部員たちは各々、シャドーボクシング、サンドバッグ打ち、ロープ(縄跳び)と、決められた練習メニューに、一心不乱に取り組みます。タイマーが終了を告げると、今度は場所を交換して、次のメニューを開始。全員がひと通りのメニューをこなす頃には、サンドバッグは拳の汗で湿り、床も滴った汗で濡れています。息つく暇もなく、今度は2名ずつ、リングで実戦を想定したスパーリング。まわりを取り囲む部員は熱心に声をかけ続けます。1分たりとも無駄にしない、浅野中学・高等学校ボクシング部の密度の高い練習には理由があります。「勉強と部活の両立がうちのモットー。練習時間が他校に比べて短い分、集中力を高めて練習に打ち込むことで成果を上げてきました」と語ってくれたのは、自らもボクシング経験者である顧問の庄子真生先生。しっかり練習して身体を作った上で、真剣に行わないとケガをするスポーツでもあるだけに、先生の指導にも熱がこもります。「進学校であると同時に、何度もインターハイに出場するほどの実績があるのは、おそらくうちぐらいでしょう。半世紀にわたって、先輩たちが築いてきた栄えある伝統を守り育てなくてはいけないという思いも、部員たちのがんばりにつながっているようです」

大舞台を経験し、実力と人間性を磨く部員たち。昨年、世界ジュニア選手権で海外での試合に挑戦し、外国の生徒と交流を深めた部員もいます。

人一倍練習好きな部長の淡海昇太くんは、インターハイ予選の決勝戦で、前年度の新人戦で敗北を喫した相手を見事に破って雪辱を果たしました。「練習を積んでいても、試合で最終ラウンドになると、手も足も前に出なくなるほど疲れてしまうことはあります。そんなときでも、力を振り絞って一歩を踏み出す気持ちを身につけられたのは、ボクシングのおかげ。勉強も絶対に諦めない心構えができました」

練習場の壁には、大書した浅野の校訓が掲げられています。「七転八起」ならぬ「九転十起」。いかなる困難にも負けない不屈の闘志を胸に宿す部員たちに最もふさわしい言葉です。

「ほかの運動部に比べると部員数が少ない分、一人ひとりにじっくり指導ができます。結果的に少数精鋭であることが、うちの強さの秘訣かもしれませんね」(庄子先生)

試合会場や合宿先へ、部員が自主的に勉強道具を持参するのが浅野式。他校の生徒にとても驚かれるのだとか。部活動に全力投球しても、勉学をおろそかにしないのが伝統だ。

インターハイを始めとする全国大会に、一度でも多く出場して経験を積むこと。そして、その先に全国優勝を成し遂げることこそ、浅野ボクシング部の大きな目標。

取材・文/堀雅俊 写真/東京フォト工芸(桑原克典)

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