第12回

『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話
知的現場主義の就職活動』

沢田健太【著】
11年10月刊/ソフトバンククリエイティブ/ 767円
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『ぼくらの就活戦記』

森 健【著】
10年10月刊/文藝春秋/ 798円
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JR、三菱東京UFJ、伊藤忠、ソニー、テレビ朝日、電通など、人気企業に内定した学生たちが、エントリーシートの書き方や面接必勝法など、具体的なノウハウを語る。

『働くということ 実社会との出会い』

黒井千次【著】
82年3月刊/講談社/ 735円
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会社員から作家に転じた著者が、自身のサラリーマン生活を通して感じた「労働」の意義を考察。30年前に書かれた本ながら、新鮮な気づきや共感を得られる名著。


いよいよ新年がスタートしました。将来の目標について考える時期でもありますが、今の日本は、未曾有の就職難です。どうすれば我が子が望む職に就けるのか、親としては気になるところではないでしょうか。

沢田健太の『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話』は、大学と企業の橋渡しをつとめるキャリアセンターの現役職員が、今どきの就活事情を率直に語った本。ナビサイトを中心とした就活の問題点、採用担当者の建前と本音、保護者が企業説明会についていくべきではない理由……。最前線にいる著者しかわからない情報や知見が、たくさん盛り込まれています。

大勢の学生の中から、採用されるのはごくわずか。クローズアップされるのは、やはり学歴格差。著者は、企業がいまだに学校名を重んじるのはなぜか解説します。高偏差値大学には〈やりたくなかった受験勉強を、地道にコツコツやってきた〉学生が多い。〈もっとも多感な青年期に自己抑制して現実対応していく強さは、理不尽な仕事も多々ある組織の中で武器になる〉のです。学校名の壁に突き当たった学生にどんなことが伝えられるか、著者は真剣に考えます。きれいごとは言いません。性格検査でよりよい結果を出す方法など、アドバイスは非常に合理的かつ具体的ですが、大学は教育の場という視点も忘れないところが、本書はすばらしい。特にやりたいことがわからない人に向けた〈ビジョンはアクションから見えてくる〉というメッセージが印象に残りました。

実際の就職活動で、人気企業の内定をとったのはどんな学生なのか。知りたい人は、森健の『ぼくらの就活戦記』をどうぞ。40人の内定者と採用担当者の両方に取材したインタビュー集。巻末の「超氷河期サバイバル5原則」も参考になるかもしれません。

子どもの就職を考える前に、大人が自分の仕事を振り返ってみるのも大事です。そのときにおすすめなのが、黒井千次の『働くということ』。富士重工業で15年間のサラリーマン生活をおくった作家が、仕事を通して考えたことを綴った1冊。〈人間の自由は不自由を避けたところに生ずるのではない。不自由の真只中をくぐり抜け、その向こう側に突き抜けた時にはじめて手にすることが出来る〉という言葉に、勇気づけられます。

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