16対0の惨敗を喫して得たあきらめない心

今年7月に開かれた全日本高校選手権大会で第3位に輝き、強豪校としての実力を示した十文字サッカー部。まだまだ数の少ない女子のサッカー部が、中高一貫校である十文字に設けられたのは、15年前のこと。当初より顧問を務めてきた石山隆之先生は「初めから強かった訳じゃないんです」と、創部時を振り返ります。「まず、同好会として活動をスタートさせました。最初は朝しか練習場所が使えず、ボールもたったひとつだけ。16対0と、試合でこてんぱんに負かされたこともありましたよ」 

それ以来、「走れ!競れ!粘れ!」という部のスローガンを胸に、全員が一丸となって「あきらめない心」で練習と試合に取り組んできました。先生の指導のもと、代々の部員たちが必死で活動に打ち込んだ成果が、近年になってようやく実を結び始めたのです。 

同部は、これまでに女子サッカー日本代表を19名も輩出しています。高3の横山久美さんも今年、U-19の日本代表候補に選出され、活躍しました。「参加した合宿の練習試合で、澤穂希選手たちと同じピッチに立てて、遠い存在であるなでしこに一歩でも早く近づきたいと思いました」(横山さん) 

将来のなでしこを担える、高レベルの競技人材育成の一方で、石山先生が指導の柱に据えていることがあります。「人間形成です。あくまでも部活動ですので、サッカー部員である前に十文字の生徒であることの自覚を促す指導を心がけています。まわりに注目されている生徒には特に、驕ることなく謙虚であれと、言い聞かせています」 

部活動の一環として実施される「十文字カップ」は毎年の恒例行事。女子小学生チームの大会で、運営を部員が担当します。児童の世話をすることで部員たちは思いやりを学び、子どもたちにも、十文字サッカー部へのあこがれを芽生えさせます。 

フォワードの一人がシュートを決めたら、それはディフェンスから皆でボールをしっかりつないだおかげと考える。ただ強いだけじゃなく、人としての感謝と気配りがきちんとできてこその十文字サッカーなのです。

冬場の部活動は、放課後の75分。文武両道を謳う教育方針から、強豪校にも関わらず練習時間は短い。しかし、かえって集中力が高まり、気持ちの切り替えが素早くなるという。

校章入りのエムブレムをあしらったユニフォーム。着用できるのは試合に出場する者のみ。「だから、ほかの部員の分もがんばるという気持ちで試合に臨みます」(横山さん)

高校は全国大会3位の実力。「次こそ優勝して、全国制覇!」と、部員たちは意気込んでいる。「中学の方も、5年以内に全国大会優勝を経験させたいですね」と石山先生。

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