続けて来てよかったと胸を張れる充実の活動

剣道の稽古は、礼に始まり、礼に終わります。板の間の道場に正座して礼を済ませると、素早く防具を身につけ、稽古に入る部員たち。まずは素振りと基本の技の練習から始まります。地稽古と呼ばれる、試合さながらの対人稽古になると、顧問の北口浩史先生の指導の目がより厳しいものに。相手の竹刀を腕に受けて一瞬ひるんだ部員に、先生は大きな声で檄を飛ばします。

「痛いのは誰も同じだ! 気迫で自分の剣道を貫け! 自ら決めたことならやり通せ! そういう覚悟を決めないで、全国(大会)などと口にするな!」

先生の指導の後、気迫を取り戻した部員たちの動きがよくなり、お互いに「集中!」「声を出していけ!」と、声をかけ合う様子も見られました。

郁文館剣道部は、中高とも都大会優勝経験を有する関東の強豪校。部長を務める岡崎恭尚くんは、小学1年生で剣道を始め、中3のときには、個人戦で東京都3位となった実力を持つ選手です。「普段の稽古がきつい分、大きな大会で勝つとうれしいです。強くなると成長できたと感じてうれしいですが、それだけではなくて、あいさつをしっかりしたり、困っている人を見たときに自然と身体が動くようになったのも、剣道のおかげだと思います」

部長の言葉に北口先生は、剣道の持つ不思議な魅力を教えてくれました。「剣道は、サッカーや野球とは違う個人競技のようにとらえられがちですが、中学や高校の試合で主となるのは団体戦。試合は対個人ながら、チーム全員で力を合わせて競り勝っていくものです。個人で励む技術の鍛錬、克己心の養成と同等に、部員同士のコミュニケーションもまた、各自の成長には大切。周囲に対する配慮を学んでこそ、剣道を続ける意義があります」

強豪校だけに、公式戦の選手に選ばれることなく引退する部員も、少なくありません。それでも「続けて来てよかった」と誇らしい顔で卒業していく姿を、先生は何度も目にしてきました。「試合に勝つことよりも、私が生徒に望むのは、礼儀作法や物事に真摯に取り組む姿勢を習得し、信頼される人間になって巣立っていくことです」

「郁文館の生徒が、トイレのスリッパを揃えていた」「郁文館の部員が、率先してゴミを拾っていた」などと大会会場で言われる程、礼儀作法の指導が徹底しているのが自慢。

郁文館OBである岡憲次郎先生(元国際武道大学学長)の言葉が綴られたボードが道場に。「絶対に下がるな」「足から動け」など、数々の達人の極意が部員を見守る。

「目標は日本一です」と言い切る岡崎部長。先輩たちが残してくれた、輝かしい実績と伝統を継承していくために、部員たちは厳しい稽古をいとわず、勝利を目指す。

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