6年生にとって、夏休みの勉強は最重要項目。ここでがんばれるかどうかが、合否を分けるポイントだと言えるでしょう。
今回の特集では、志望校に見事合格した先輩親子や、四谷大塚の講師陣にインタビュー。
夏を乗り切るための情報が満載です!
取材・文/國天俊治、堀雅俊 写真/東京フォト工芸(清水真帆呂、松谷祐増)イラスト/曽根愛



夏期講習を経て成績が伸びた子は、夏休みをどのように過ごしていたのでしょうか? 
合格を勝ち取った親子に、家庭学習での工夫や親のサポートについてお話を伺いました。


開成中学校1年
遠藤 達朗くん、(母)素子さん

■その他合格校■
本郷中学校
栄東中学校(東大選抜Ⅰ、およびA)

夏 休 み の 息 抜 き は ?
ペットの鯉を育てること
鯉の「ゴルン」がめざましく成長し、10cmほども大きくなった。のんびり泳ぐ姿に癒やされたそう。歴史マンガもよい息抜きになった。

鷹揚な心と細やかなサポートで夏を制覇

5年生の秋に力試しで受けた「全国統一小学生テスト」がきっかけとなり、中学受験を決めたという遠藤達朗くん。それまでも家庭学習で、コツコツと勉強していましたが、このテストを機に四谷大塚に入りました。
「テストの問題も、テスト後の解説授業もとてもよかったので、四谷大塚で中学受験を目指すことにしました」(達朗くん)。 

塾通いを始めたのは、5年生の2月。受験まであまり時間はありませんでした。しかし、そんな状況だったからこそ、母の素子さんは、いつもおおらかに構えて接するよう心がけたそうです。 そして迎えた勝負の夏。親子はこの時期を「弱点を見つけるための見直し期間」と位置づけ、家庭学習を進めることにしました。 成績のネックは〝算数”でした。
「スタートが遅かったこともあり、どうしても算数が弱かったですね。塾の先生の指導もあり、夏の家庭学習の8割を算数に割きました」(素子さん) 
素子さんは、算数の、今まで学んだ学習個所と、出来不出来がひと目でわかるような表をつくり、弱点の洗い出しと復習に利用しました。
「塾の週テストをまとめてくれて、その中で成績の悪いものに、赤いタグをつけてくれたことも、よかったと思います。自分の弱いところが、目で見てすぐにわかりました」(達朗くん) 
この〝見える化.は素子さんの勉強サポートのこだわり。
「弱点ややるべきことが目に入り、具体的になることで、モチベーションも上がりますし、効率的に勉強が進むと思います」(素子さん)
結果として、算数の力は着実についていき、最終的には60近くの偏差値がテストで出るようになりました。 

算数の時間をつくるため、社会と理科は、夏期講習の授業の中で、その場で覚えてしまうように、常に心がけていたそうです。
「その場で覚えるという決まりをつくってからは、前よりも集中して授業を受けられました」(達朗くん)
その成果が大きく現れたのが、社会です。もともと得意科目だったのですが、スタートが遅いため、夏前には地理や歴史の分野で出遅れた状態でした。
「夏に5年生の学習範囲をカバーできたのは大きかったし、勉強も楽しかったです」(達朗くん)
夏休み前と後のテストを比べると、社会は偏差値で13・9の伸びを見せ、貴重な得点源となりました。 

達朗くんにとって、夏を乗り切るためのリフレッシュの時間となったのが、母とのサイクリングです。
「塾の行き帰りは、自転車で片道20分くらい。それをお母さんと一緒に通ったのが思い出です。朝から動くことで、頭もすっきりして、午前中から集中して勉強できたし、たくさん話もしました」(達朗くん) 
通塾は、親子の大切なコミュニケーションの場となっていたようです。 志望校を開成中学校にしたのは10月。本人の意思はもちろん、テストの結果なども参考に決めました。
「夏期講習の成果が現れるのは、10月だと思います。成績に加え、生徒が中心となり、積極的に自由を求めるような校風に魅力を感じましたし、ここに入れば、いい仲間と出会えて切磋琢磨できると思ったので、開成を目指すことに賛成でした」(素子さん)

そして見事、難関校の開成中学校に合格。最後で成績が安定したのは、夏にしっかり基礎を固め、弱点を洗い出していたからだと素子さんは言います。
「夏は間違い探しの時期。できないことを責めるのではなく、今間違えておいてよかったと考え、前向きな言葉をかけてあげるといいのではないでしょうか。間違いも、学びの一部だと思いますよ」(素子さん)


武蔵中学校1年
増井 一真くん、(母)みよこさん

■その他合格校■
本郷中学校
立教新座中学校

夏 休 み の 息 抜 き は ?
カードと旅行で気分転換
「勉強の合間は、弟とサッカーをしたり、大好きなサッカーカードで楽しみました」(一真くん)。勉強漬けでなく、旅行などでもメリハリをつけた。

自分の行動を記録させ学習成果を母子で把握

武蔵中学校に入学した増井一真くんは、5年生から6年生にかけてロンドンの日本人学校に通っていました。
「5年生の春に武蔵の文化祭を見に行ったとき、緑が多いし、生徒がのびのびと活動している感じがよかったです」(一真くん)

そこで、渡英後は四谷大塚の通信教育「進学くらぶ」を利用して受験勉強を継続。
「ネットでビデオ授業を見たり、テキストを使って勉強していました。通塾にくらべて、モチベーションを高く保つのが大変かな……と心配しましたが、日本人学校にも日本の私立を受験する同級生が何人もいたためか、情報交換をして、受験に対する意識を育んでいたようです」と、みよこさん。 

また、夏期講習にも参加しないため、みよこさんが一真くんの時間管理をサポートすることで、長丁場の夏休みを乗り切ったそうです。学習ポイントは、苦手な算数の得点力アップ。
「スケジュールの管理については、午前7時から夜10時までのタイムシートを作り、学習の内容とそのほかの行動を書き込ませました」(みよこさん) 
目に見える形にすることで、一日の目標をどのくらい達成できたか、一真くん自身もわかるようになりました。
「サッカー観戦などで出かける日は、いつもより早めに終わらせようと集中しました」(一真くん) 

苦手科目克服の、もうひとつの決め手となったのは、反復学習。問題集で正解できなかった問題は記録しておき、翌日、1週間後、1か月後と繰り返して取り組ませたそうです。
「塾の先生のアドバイスで始めました。『何回も繰り返して体で覚えていく必要がある』と言われて。重点的に苦手科目の学習を行ったことで、夏休み終盤のテストの成績がぐんと上がりました。正答率20%以下の難問を切り捨てて、範囲を絞ったのもよかったかもしれません」(みよこさん)


鴎友学園女子中学校1年
高橋 もゆさん、(母)麻美子さん


夏 休 み の 息 抜 き は ?
温泉旅行が一番の思い出に
水泳、ウォーキングは体力づくりだけでなく、勉強 の合間の息抜きになったそう。たまに弟とゲームも した。「ごほうびとして連れていってもらった外食 も、気分転換の時間でした。家族全員で行った温泉 旅行は、夏休みの楽しい思い出になりました」(もゆ さん)

母子で気分転換しプレッシャーを軽減

6年生の夏に、オープンキャンパスに出かけたのがきっかけで、鴎友学園を志望するようになったもゆさん。自宅から比較的近く、園芸の授業があるといった独自の校風が気に入ったそう。
「夏休みになってすぐにあった、塾のテストの成績があまりよくなかったので、志望校としては、かなり高い目標でした」(もゆさん)

そこで、夏休みの勉強のテーマとして掲げたのが、基礎力の強化。苦手な算数を中心に、5年生のときの問題集からやり直す、振り返り学習に時間を割きました。
「毎日、夕食後の1時間半が振り返り学習。難問に出くわすと、あせってしまい簡単な問題もとりこぼしていたので、初級と中級問題だけに絞り込んで基礎を固めさせました」(麻美子さん)

夏休みの自宅学習は、モチベーション維持が重要です。親子で話し合って、40日間の行動を確認できるカレンダーを作りました。「漢字」「計算」「体力づくり」などの項目を、毎日チェックし、クリアできたらシールを貼っていったそう。頭が疲れて勉強できないときは、ウォーキングやプールなどの、体力づくりに切り替えてもよいというルールも決めました。そして、シールの数が一定の目標に達するごとに、もゆさんにとっての「ごほうび」が。
「外食に連れて行ってもらいました。中でも、友達の家がやっているハンバーグ屋さんに行くのが、とても楽しみでした」(もゆさん)

カレンダー作戦を実行していく上で、気をつけていたことがあります。「たとえ目標を達成できなくても、文句を言ってプレッシャーを与えないよう心がけました。また、勉強は本人ががんばるしかないので、朝のウォーキングにつきあって、気分転換を手伝いました。基礎固めに力を入れた結果、合格圏内の7割得点の地力がつき、本人が自信を持ったことが、合格につながったと思います」(麻美子さん)

筑波大学附属中学校1年
五十嵐 海斗くん
(母)知子さん、(妹)咲季さん

■その他合格校■
早稲田中学校


夏 休 み の 息 抜 き は ?
読書をめいっぱい楽しむ!
「勉強の合間と寝る前は、好きな本を読むのが楽しみでした。ときどき妹とゲームをしたり、友達と外で遊んだりしていました」(海斗くん)

母親が日中に算国
父親が夜間に理社

 4年生のときに、大分県から岩手県に引っ越した五十嵐海斗くん一家。教育情報誌を見たことがきっかけで、四谷大塚の通信教育「進学くらぶ」を始めました。
5年生のとき、インターネットで調べて知った筑波大学附属中学校の教育方針や行事が気に入り、志望校として考えるように。
「好きな理科実験がたくさんできるのと、夏の行事の海浜生活で、遠泳に参加してみたいと思いました」と海斗くん。
海斗くんは3歳から水泳を習っていて、泳ぐのが大好き。受験をがんばりながら、水泳もぎりぎりまで続けることにしたそうです。 

そこで、父の政義さんと一緒に、夏休み中の生活時間割と、学習予定表を綿密に作成。机に時間割を貼り、それに従って勉強を進めました。
「スケジュールが決まっていないと、ダラダラと過ごしてしまったかも。お母さんのアイデアで、問題を解くごとに問題集にスタンプを押すことにしました。スタンプが増えていくのが楽しくて、やる気が出ました」(海斗くん) 

それでも、毎日3時間以上を水泳の練習にあてているため、ときには疲れから、学習の予定をクリアできない日もあったそう。
「夏休みは基礎の徹底ができればと考えていましたから、応用問題をとりこぼしても、2学期の時間がつくれるときにやればいいと考えるようにしました。受験と水泳を両立させようとしている本人のがんばりがあれば、あとで取り返せる気がしましたから」と知子さん。
昼間は知子さんが算数と国語をサポートし、理科と社会は政義さんが帰宅後に担当しました。 

学校説明会を受けた10月以降、海斗くんはスイミングスクールを一時中断して受験勉強を本格化。そのかいあって、志望校に見事合格しました。
「現在夫は岩手に残っていますが、海斗の受験で、家族の絆がいっそう深まったと感じています」(知子さん)


明治大学付属明治中学校1年
重田 光祐くん
(母)宏美さん、(父)光洋さん、(妹)汐音さん

■その他合格校■
明治大学付属中野中学校、西武学園文理中学校(特選)、土佐塾中学校

夏 休 み の 息 抜 き は ?
野球で体を動かす!
小さい頃からやっていたこともあり、野球をするのが一番のリフレッシュ。父とキャッチボールに出かけるなどして、体を動かしていた。

とにかく何度も復習し抜けや漏れをカバー

重田光祐くんは、父の仕事の都合で、3年生のときに静岡へ引っ越しました。
しかし、中学生になる頃には東京に戻ることが決まっていたので、地元の塾に通いつつ、四谷大塚の通信教育「進学くらぶ」で勉強したそうです。
「周りは中学受験にあまり熱心な環境ではなく、地元の塾でも夏期講習は国語と算数しかありませんでした。だから夏の家庭学習は、とても重要でしたね」と話すのは、母の宏美さん。
一体どんな勉強をしたのでしょうか。
「夏期講習は毎日3時間くらいで終わりましたが、その前後も塾の自習室に残って、四谷大塚の夏期講習テキストを勉強していました」と光祐くん。
夏の間にすべてのテキストをこなしたことが、大きな自信になったそうです。それらも含めた、夏の勉強のスケジュールを立てたのは、宏美さんです。
「一日の始めに、今日やるところはここからここまで、とやるべきことを明確にしていました」(宏美さん) 

苦手な科目は理科。学習の3割を使い、5年生の内容から学び直しました。
「塾の課題や四谷大塚の教材を、とにかく何度も復習しました。夏休み後半はさらに別の教材も買って、弱点克服に取り組みました」(光祐くん) 

また、算数には4割ほどの時間を割き、5年の内容で抜け落ちていたところを洗い出して徹底補強。得点源にできるまでに伸びました。 

志望校を決めたのは、9月。
「大学付属であることと、きれいな校舎に惹かれ、家族で相談して、明大明治に決めました」(光祐くん) 
その頃には、光祐くんに受験生としての自覚が芽生え、率先して勉強に取り組んだそうです。
「ハードな夏を乗り越えたからこそ得られた自覚でした。6年の夏は、まとまった時間を取れる最後のタイミング。これをやろう、としっかり事前に計画を立ててから臨むと、有意義な時間を過ごせると思います」(宏美さん)

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