目に見えない小さな光の粒に着目

1998年に人類で初めて量子テレポーテーションの実験に成功し、世界の度肝を抜いた古澤明先生。

「電灯や太陽の光は、目に見えない非常に小さな光の粒(光子)が集まったもの。同じ場所で同時に生まれた光子をふたつに分けた場合、片方の粒に起きた変化が、同時にもうひとつの粒にも生じるという性質があります。それぞれの粒が離れてしまっても、その性質は変わりません。たとえ地球と宇宙ぐらい遠くてもです。この現象により粒の変化の情報を瞬時に移動、つまりテレポーテーションができます」

古澤先生はこの技術を、私たちの日常生活でもおなじみの、光通信の分野に応用できないかと考えています。

「光通信は世界中で需要が拡大して、通信回線がパンクしそうになっています。その問題の解決に、量子テレポーテーションの、光子の情報を瞬時に伝達するという特性を活かせないかと」

量子テレポーテーションの技術は、将来的に、現在のスーパーコンピューターで1000年かかる計算を数秒で解く『量子コンピュータ』の開発など、さまざまな分野への応用が考えられます。ただ、テレポーテーションと聞いて多くの人が思い浮かべる、人体の瞬間移動に応用させることは、理論的に極めて難しいとのことです。

受験勉強は大学の研究に向けた基礎トレーニング

研究のキモとなっているのは、光子をふたつに分ける装置を作ること。
「この研究室は世界でも最先端の、前例のないことをやっているので、実験装置は学生や研究者自身で作るしかありません。光は、基本的に鏡に反射させて、その動きをコントロールするのですが、研究で自分が理想とする光の動きを実現するには、複数の鏡を組み合わせて光の進路を作る必要があり、それを機械の基盤のように配置した装置を作ります。数学で計算したデータを元に、1000分の1.1万分の1ミリ単位で鏡の位置を調節するのですが、〝こちらをうまくすると、あちらがおかしくなる〟というケースばかりで、苦労するところですね」

研究を通じ古澤先生は、東京大学の学生は世界的に見てもトップクラスの優秀な人材だと、強く感じています。
「日本で優秀な学生は、世界でもトップです。この研究室でも博士課程に進んだ学生を海外留学させていますが、ほとんどが〝自分は世界でも十分やれる〟という自信を得て帰って来ます」

最後に、中学受験生へのメッセージがあるという古澤先生。
「受験勉強や学校の勉強はつまらなくて当たり前です。それはスポーツでいう筋トレみたいなもの。ただスポーツも、ある程度トレーニングしないと、試合を楽しむことはできません。好きなことに打ち込む大学の研究は、スポーツの試合。そのために必要な基礎体力が学校の勉強なのです。勉強が嫌になることもあるでしょうが、筋トレだと思ってがんばってください」

一番星学園
高度な作品と堂々たる発表が最優秀賞受賞の決め手に
関数のグラフを使って絵を描く関数グラフアートの全国コンテストで、中学生ながら最優秀賞を獲得した河村進...>>続きを読む
気になる部活調査隊
海陽中等教育学校 数学部
全寮制の海陽中等教育学校では、前期生(中学生)と後期生(高校生)が一緒に活動する部活も多いのですが、...>>続きを読む
サイトマップ
人気記事ランキング
01 特集
そのひと言が子どもを変える! 学力を伸ばすほめ方・励まし方
02 スペシャルウィーク
9歳までに身につけたい国語力
03 子育てに効く脳科学のお話
頭をよくする方法はある?

サイト内検索
 

RSS登録
これまでの特集記事



気になる記事ピックアップ
これまでに公開された記事の中から気になる記事をランダムでピックアップし、表示しています。