人間は自然とどのように"共存"すべきか考える

環境問題への関心は世界的に見ても高まる一方。しかし「そのあり方は、時代とともに変わってきている」と鬼頭秀一先生は語ります。

「以前は、人との関わりを排除して手つかずの自然を守る、というアメリカ型の発想がグローバルスタンダードでした。しかし、日本も含めて自然と深く関わって生活してきたアジアやアフリカでは、人を排除する自然保護の考え方はその土地での人々の豊かな生活を破壊することもあります。世界的視野で環境を語るためには、人々にとって身近な環境に目を向け、そこで今まで育んできた自然との関わりに学ぶことが必要です。そして、ケースごとの解決策から普遍的な理念を導き出すことが、グローバルな環境問題の解決になると私は考えています」

鬼頭研究室で研究している"環境倫理学"は、人間にとってよりよい環境とは何なのかを考える学問。心身ともに豊かな生活を送るために、人は自然とどのように関わるべきか、その基本となる倫理を探求しています。

研究室で鬼頭先生が最も大切にしているのは現場のリアリティ。フィールドワークに重きを置き、研究室の学生も自らも全国を飛び回っています。

「環境問題の"現場"に行って、初めてわかることがたくさんあります。たとえば、川の氾濫を防ぐ工事で生態系が壊れてしまったとします。地元の人は皆、安心して暮らすため工事を望んでいるのかと思ったら、実際には川の自然と深い関わりがある人も大勢いる。地元の人の意見を聞いて、生活にも環境にも配慮した解決策を導くことも、研究テーマのひとつですね。当事者それぞれの身になって考えるために、現場に行って地元の人々の生の声を聞くことが、とても重要なのです」

これからの環境保護は人も自然も両方守る

鬼頭先生は国などの自然再生プロジェクトにいくつも関わってきました。

「茨城県の霞ヶ浦という湖の自然再生プロジェクトはおもしろかったですね。護岸工事により失われた湖岸の生態系を回復させることが目的なのですが、そのために波よけの材料として山で切った柴を使い、そのことで里山がきれいになりました。また、漁礁ができて漁師さんにもメリットがありました。自然再生は、そこにあった地域の豊かさの再現、ひいては地域そのものの再生という面もあるのです」

国の干拓事業により漁業被害が問題となった諫早湾の調査では、地元の漁師さんと一緒にお酒を飲み、翌日は船で漁にまで連れて行ってもらったそう。

「その土地に住む人々と触れ合い、その息吹を感じることは研究の醍醐味です。自然保護を考えることは、日本人が今後どのように暮らしていくかを考えることと等しく、人の気持ちを抜きにしては語れません。ただ自然を守ろうではなく、人が豊かに暮らせる環境そのものを守ること。それが次世代の環境保護のあり方だと思っています」


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