太陽光エネルギーを効率的に利用する研究

電池と言うと、一般的には、テレビのリモコンや懐中電灯などで用いる乾電池をイメージしがちです。伊原学先生は次のように語ります。

「それは、発電した電気を蓄える蓄電池です。我々の研究対象は、電池を作り出す、つまり発電する電池。太陽電池と燃料電池の開発をしています」

太陽電池とは、すっかりおなじみとなった太陽光による発電を行う電池。燃料電池は東京ガスのマイホーム発電システムでも使われているもので、水素などを燃料に電気を起こす電池です。

「電気を発生させるという表現より、自然にあるエネルギーを、電気エネルギーという私たちが利用しやすいエネルギーに変換すると言ったほうが正しいです。その変換をどれだけ効率化できるかが研究テーマのひとつです」

たとえば太陽電池は、太陽光エネルギーの15.20%を電気として利用するのが現在の実用化レベルでの性能限界。

「太陽電池は、太陽光の性質から、パワーが低いのが特徴。太陽光は、エネルギーの総量はたくさんありますが、1㎡あたり1キロワットのパワーしか持っていません。自動車を動かすには、その約50倍の力が必要です。つまり、必要とされる電源に対して適切なエネルギー変換装置を選ぶ必要があります」

伊原研究室では、最先端のナノテクノロジーを駆使し、太陽光によって銀ナノ粒子内の電子を激しく振動させ、入射光よりも強い特殊な光を発生させ利用するという世界的にもこれまでになかった発想で、より効率的な太陽電池を開発。学会はもちろん、産業界やマスコミなどに注目されました。

将来の電気自動車の電源も開発

また、燃料電池の分野では、炭素を燃料とする新しい燃料電池の発明で成果をあげました。

「炭化水素の燃料電池は、これまで発電の副産物として析出する炭素が発電効率を悪くするという短所がありました。そこで電池の電極という部分に工夫を加え、析出した炭素を再び燃料として使えるようにしたのです。リチャージャブル・ダイレクトカーボン燃料電池と名づけたこの電池は、炭素を燃料とする燃料電池として世界一の高出力を誇り、次世代の電気自動車の電源等に利用できると期待されています」

火力発電などで得られる電力の替わりに、太陽電池や燃料電池で得られる電力を使うことは、二酸化炭素の排出を抑え、地球環境の保全に貢献します。

「エネルギー変換は、環境問題への意識が高いヨーロッパでも研究が盛んです。この研究室にもドイツからの研究員が所属しており、フランス国立インサ工科大学リヨン校との共同研究も行っています。修士課程の学生も国際学会に出席し、英語で書いた論文について発表を行います。日本は環境エネルギー分野の研究で最先端の実績を誇り、中でも東京工業大学はトップクラスの成果を上げています。学生には、世界一の研究者を目指してほしいです」

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