角度70度のガケを昇る7トンのクモ型ロボット

広瀬茂男先生の研究室は、人類の生活に貢献するロボットを作ることを大きな目的としています。「ロボットと言うと、人間型の直立二足歩行のものを想像しがちです。しかし私は、ヘビ型のものや、キャタピラで自走するもの、クモやムカデといった節足動物のような形をしたクロウラ型のロボットも開発しています」

ロボットの多くは、人間には難しい、または危険な作業をするために作られています。広瀬先生が心がけているのは、ロボットの作業内容に応じて柔軟に、その外見や構造、動きなどをデザインすることです。「たとえば、私たちが研究を続けているクモ型ロボット『タイタン』ですが、その11号機は大手建設会社と共同開発し、重さ7トン近い巨体ながら、角度が70度近いガケを昇りドリルで岩を掘削することができます。これは、人間には不可能ですし、人間型のロボットではバランスを取るのが難しい。クモ型ロボットが斜面にへばりついて行うのが効果的なのです」

ほかには、アフリカの国などで実用化が検討されている地雷除去ロボット、10年後に月面調査で導入予定の惑星探査用ロボットなど、さまざまな方面で活躍するロボットを研究。ヘビ型ロボットは災害地で、崩れた建物の内部など人間の入れないところへ潜り込み、生存者を探すなどの用途があります。

基本は数学と物理の知識 カギとなるのは発想の転換

ロボットづくりに必要なのは、基本的に数学と物理の知識です。「ロボットはコンピュータにプログラムを打ち込んで動かします。ロボットの動作の軌跡を点の集まりととらえ、それを空間座標として数値化し、ロボットの間接が点を追って動けるよう、式を入力します。動作が生み出す力の大きさを計算して、その負荷に耐えうる機体を設計することも必要です」

企業と提携しての研究開発が多い広瀬研究室では、学生のプレゼンテーション能力の向上にも力を入れています。「大学院生などは、企業の担当者と、開発するロボットの性能や予算、納期などについて打ち合わせをしますからね。また学会などでも、どんなにいい研究内容であっても、プレゼンが下手だと評価されないことがあるのです」

普段から学生に、発想の転換が大事と、折に触れて伝えている広瀬先生。「授業で、"向かい合った駅のホームを行き来するロボットを設計しなさい"という課題を出しました。するとほとんどの学生が、まず、"ホームを降りて、線路を越えて…"といったロボットの動きを考えます。しかし、駅にはたいてい屋根などの上部に柱や管などの構造物があるもの。そこにアームやロープ状のものを引っ掛けて、ターザンのように飛び移るものを設計したほうが、工程が少なく楽ではないでしょうか。広い視野で考え、目的達成に最適な姿をしたロボットをイメージすることは、とても重要です」

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