目で楽しめる本
第11回
視覚的な刺激が子どもの興味を引く

小さい頃には絵本が好きだった子どもたちも、大きくなるにつれて文字の 多い本を好むようになります。しかし、魅力的な絵本には変わらず興味を 示すものです。やはり絵が持っている ビジュアルの強さには、年齢・性別・ 国籍を問わず、人間の本能に訴えかけてくるパワーがあるのでしょう。そこで今回紹介するのは、読書好きの子にもそうでない子にも読ませたい、「目で楽しめる本」。ときには絵から刺激をもらい、イマジネーションの世界を広げることで、新たな興味につながっていくかもしれません。一風変わったユニークな本ばかり集めたので、親子で眺めて楽しんでみてください。

『漂流物』
デイヴィッド・ウィーズナー【著】07年刊/BL出版/1,890円

水中カメラに映し出された美しく謎めいた海の世界

ある日少年は、浜辺に漂流した1台のカメラを見つけた。中のフィルムを現像してみると、そこに映っていたのは機械仕掛けの魚、ヒトデの背の島といった、驚くべき海中の世界! そして1枚の写真には、このカメラを拾った子どもたちが何重にも写り込んだ不思議な写真。写真の中に写真、またその中に写真……。文字はなく、緻密に描き込まれた美しい絵だけで進む物語を、子どもたちははどう感じるでしょうか。アメリカの優れた絵本に贈られる、コールデコット賞受賞作品です。

『うごく浮世絵!?』
よぐちたかお【作】、アーサー・ビナード【原文】05年刊/福音館書店/ 1,575円

目や体が動く動く!新感覚の浮世絵

写楽や北斎など、日本が世界に誇るアート「浮世絵」に、付属のマジックフィルムを乗せて動かすと……なんと絵が動き始めます!目の錯覚を利用して、見て、感じて、遊べる「動く絵本」。親子で新感覚の浮世絵を楽しんでみてはいかが?

『こんにちは あかぎつね!』
エリック・カール【著】、佐野洋子【訳】99年刊/偕成社/ 1,470円

楽しみながら"色"について学べる

題名は「あかぎつね」ですが、表紙に描かれているのは緑色のきつね。本書は「補色(反対色)の原理」を利用した絵本。左のページの絵をじっと見つめて、右のページの黒い点を見ると、違う色の絵が浮かび上がるという仕掛けになっています。

『目で見る数学──美しい数・形の世界』
ジョニー・ボール【著】、山崎直美【訳】06年刊/さえら書房/ 2,940円

グラフィカルにカラフルに数の世界を楽しもう!

写真、図、絵、記号、さまざまな要素を使って数学の世界をカラフルに表現した1冊。誰でも直感で理解し楽しめる本です。もしも数がなかったら? 素数を探すと金持ちになれる? 無限大は最大の数ではないの? など、子どもが夢中になるパズル、マジック、迷路が詰まっています。確率やトポロジーといった新しい数学の分野や、フラクタルやカオスなどコンピュータを使った最新の数学分野も「目で見て」わかります。96ページに及ぶ美しい数と形の世界に入っていきましょう!

『ぶどう酒びんのふしぎな旅』
藤城清治【影絵】アンデルセン【原作】、町田仁【訳】10年刊/講談社/ 3,000円

影絵作家・藤城清治がアンデルセンを影絵化

日本を代表する影絵作家である藤城清治氏が、アンデルセンの名作「ぶどう酒びんのふしぎな旅」を、カラーの影絵として描き下ろした渾身の作品。藤城氏のデビュー60周年を記念した本書は、60枚の美しい影絵が圧巻です。

『ゴッホとゴーギャン おはなし名画シリーズ』 
辻茂、川滝かおり【著】、西村和子【編】92年刊/博雅堂出版/ 3,058円

ゴッホとゴーギャン 2人の波瀾万丈の生涯とは

同じ時代を生き、それぞれドラマチックな人生を送った2人の画家、ゴッホとゴーギャンの伝記絵本です。「ひまわり」などゴッホの代表19作品と、「タヒチの女たち」などゴーギャンの11作品も収録。鮮やかな色彩の名画たちを大判で楽しめます。

『杉原千畝──命のビザをありがとう』
杉原幸子、杉原弘樹【著】03年刊/金の星社/ 683円

6千人のユダヤ人を救った日本人領事の一生

杉原千畝は、1939年、第二次世界大戦中、リトアニアの日本領事館の領事代理になった人物です。当時日本はナチス・ドイツと同盟関係にあり、ナチスが迫害を続けるユダヤ人を助けることは極めて難しい状況でした。しかしながら杉原は外務省の命令にそむき、自分の意志で日本通過のビザを発給し続け、6千人ものユダヤ人の命を救ったのです。信念を持ち、自らの心に従った彼の生涯。日本から取り寄せた絵本を子どもたちに読むのが何よりの楽しみだったというエピソードも親しみを覚えます。幸子夫人と息子の弘樹氏が綴る感動の伝記です。

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