1月号 特集

中学受験は、子どもにとって人生で最初にぶつかる壁と言っても過言ではありません。 お母さんは、そんな我が子のために何ができるのでしょうか。 壁を乗り越えようとしている受験生の、メンタルサポートについて考えます。

過去問対策で不安を抱えることも

―まず、中学受験をしようと決めたきっかけを教えてください。

今井くん
小学校の友達から誘われて、3年生の4月から四谷大塚に通い始めました。最初から「中学受験をしよう」と考えていたわけじゃなかったけど、通ううちに母から「受験してみない?」とすすめられ、決意しました。
加藤くん
僕は、4年生の初めぐらいに、「自分は勉強が嫌いなんだな」と思うようになって(笑)。そうは言っても、いつか受験はしなくちゃならないので、早めにがんばっておこうと考えました。
杉下さん
「勉強が嫌だな」と感じることは、私も あったかも。私の場合、四谷大塚のリトル スクールから通っていて、そのまま自然な 流れで受験をすることになりました。リト ルスクールの頃は、勉強がとても楽しかっ たです。でも、5年生になって、急に算数 が難しくなってきた時期から、勉強が辛い と感じることが、よくありました。

―去年の11月ぐらいから1月末の間、どんな勉強をしていたか苦手だった科目や単元などとあわせて教えてください。

加藤くん
過去問をやっていて、巣鴨中学の理科の物理分野の問題が難しく、しかも配点が高めだったので、気になってい ました。よく滑車の問題でつまずいていました。
今井くん
11月になって、急に勉強する気がなくなってしまいました。 過去問をやるペースが、がくんと落ちたことが印象に残っています。1月に埼玉の中学を受験して不合格になって から、さすがに「ヤバい」と思って、目の色を変えて勉強したんです。それまでは、1日5.6時間もゲームをしてしまっ た日もありましたね(笑)。
杉下さん
2人の話にも出ましたが、とりあえず過去問をやっておけば平気かな、と思っていました。吉祥女子中学が第1志望ということは、もうずっと決めていたので、10月頃から5年分の過去問を5回ぐらい繰り返して解きました。
今井くん
すごい! 僕は、第1志望でも2年分ぐらいしかやれなかった。
加藤くん
巣鴨中学の問題は3年分はやったかな。本音を言うと、苦手科目の国語はあまりやりたくなかったです。大好きな算数だけは、3年分以上解きました。やりすぎて、塾の先生から「もうやめろ」と言われてしまったくらい(笑)。
今井くん
だいたい男子は、算数は結構得意という人が多い気がします。それで、国語は苦手。塾の男友達も、国語はほとんど家で勉強していませんでした。国語って、勉強しても、問題の解き方が身についている実感がないんですよね……。「やっても意味ないじゃん」と思っていたのかもしれません。僕の場合、特に漢字が破滅的な状況でした。
加藤くん
僕は、社会が苦手でした。山脈名とか港の名前とか、暗記ができていませんでした。
今井くん
僕も! 地理はまだよかったけど、歴史がよくわからなかったです。平安時代ぐらいから、勉強する内容について、意味が理解しにくかった。
杉下さん
歴史好きな父の影響で、家でも大河ドラマを見たりしていたので、私も歴史が好きでした。去年の大河ドラマは、受験の直前は録画して、受験が終わってからまとめて観ました。
今井くん
へえ。女子で歴史が好きというのは、ちょっとめずらしいかも。
杉下さん
ただやっぱり算数は難しかったです。速さの問題はお手上げでした。算数で苦労していない男子が、うらやましかったですね。

偏差値や合否は子どもも冷静に分析

―話を聞いていると、自分がどの分野が苦手かということを、冷静に把握していたようですね。「受かるかどうか不安」といったことは、あまり考えなかったのでしょうか。

杉下さん
模擬試験の結果を見れば、だいたい自分がどれくらいの位置にいるかはわかりますから。あと少し努力を継続すればゴールにたどりつけるという時期なので、そんなに切羽詰まった気持ちにはならなかったです。
今井くん
確かに。あと、偏差値について言うと、テストによって数値が52とか56とか、平気で1~5ぐらい動きました。でも、「偏差値はそういうものだ」と、自分の中で割り切れていたところはあった気がします。
杉下さん
私は、国語の偏差値の差が激しくて。最高で72、最低で49ということがありました。でも、あまり気にはしませんでした。

―第1志望校や併願校などは、この時期に決まっていましたか。

今井くん
1月に埼玉の中学で合格を確保して、2月1日に巣鴨中学、2月3日にもうひとつの本命校、というように、受験スケジュールは決めていました。ただ、埼玉の中学に不合格になったので、念のためもう1校、安全圏の埼玉の中学を受けて合格しました。
加藤くん
兄が巣鴨中学に入学していたので、受験を始める段階から、僕も巣鴨中学を第1志望に決めていました。1月は、西武学園文理中学のほか、高知県の土佐塾中学にも挑戦しました。そう言えば、受験直前に親とケンカしたとき「家を出て、寮のある学校に行ってやる!」と思ったこともあったなあ。
杉下さん
家から近いこともあって、小学校3年生のときから吉祥女子中学の文化祭に行っていました。在校生の活発な雰囲気が自分に向いていると思い、早くから第1志望に決めていました。1月には星野学園中学を受けて、2月1日に共立女子中学、2月2日に吉祥女子中学を受験しました。
今井くん
多くの受験生が、1月に埼玉や千葉で入試を経験して、2月に都内で受験をします。でも、2月に入って2校目の受験をしたぐらいで、すごく疲れたなあと感じました。

母の歴史クイズで暗記へのやる気アップ

―お母さんやお父さんは、どのように受験を応援してくれましたか。

今井くん
7月ぐらいまでは、親が勉強の手助けをしてくれました。でも9月から「ここからは、自分1人で勝負できなければ、合格は難しい」と言われ、直接勉強を見てもらうことはなくなりました。「よし、それならやってやる!」と、一時的に気合いが入ったのですが、11月にやる気がなくなってしまって……。
加藤くん
うちの母は、よく勉強を見てくれました。特に覚えているのは、苦手を克服するために、歴史クイズを出してくれたことです。家で勉強していて眠くなったときなどに、母が突然「○○が起きたのは何年でしょう?」などと聞いてくるんです。ポイント制になっていて、正解して50ポイント集めると、夕飯のおかずが僕の好きなものになります(笑)。「絶対答えてやる!」と、歴史の暗記に対するやる気がわきました。ポイントを集めて、大好きなすき焼きを作ってもらいました。とてもおいしかったです。
杉下さん
うちも、母はよく勉強を見てくれましたね。父は、勉強にはあまり口を出さなかったですが、見守ってくれているという感じでした。
加藤くん
うちもそうだった。あと、これも母がやったことだと思いますが、気がついたらマンガが僕の目のつかないところにしまわれていました(笑)。
今井くん
親の手助けがなくなった9月以降も、母からは「ゲームばかりやっていちゃダメ」とか、「勉強しなさい」とか、よく注意は受けていました。でも、それが原因で、勉強をする気がなくなったということはありませんでした。僕は性格的に、何を言われても気にしないタイプなので。ただ、意識的に家族全体でテレビを見る時間を減らしてくれたり、家族がいつも近くにいてくれたり、僕の受験に気をつかってくれていることは感じていました。
加藤くん
僕は兄に、「こんな問題もできないのか」と言われて、悔しい思いをしたこともありました。

―やはり、「こんなこともわからないの?」という類いの言葉は、受験生のやる気をなくさせるものですか。

杉下さん
いえ、私の場合は逆で、親から「この問題は、あなたにはまだ早いよ」などと言われると、かえって火がつき「この問題だけは必ず解けるようになってやろう」と思いました。入試本番の直前の時期も、母と勉強についてよく話をしていました。たとえば、過去問でできなかった問題があったとき、私は類題をいくつか解くほうがいいという考えでしたが、母は間違えた問題を何度も解くほうがいいという考えでした。自分の意見はしっかり母に伝えていましたね。母も私の意見について、母の考えを伝えてくれました。

心の支えの中心は塾の先生と友達

―では、まわりの人からの言葉で、今でも「あのひと言に助けられたな」と、覚えているものはありますか。

加藤くん
塾の先生は、僕たち受験生にかける言葉ひとつとっても、さすがだなと思うことは多かったです。自信にあふれた態度で、「先生の言うことを聞いていれば受かるから」と繰り返し言われて、自然とついていけた気がします。
今井くん
塾の先生とは、過去問や成績のことなど、とことん話をしました。印象に残っているのは、2月の入試本番を前にした時期に、「たぶん大丈夫だから、落ち着いていけ」と声をかけられたことです。これが「絶対大丈夫」だったら、よく言われる言葉なので、そんなに心に残っていないと思うんですけど。「たぶん」という言葉は、すごく現実味があったので、リラックスできました。
杉下さん
私は、小学校の友達と「一緒に吉祥女子に行こうね、がんばろうね!」と励まし合って、力をもらうことができました。今でも、とても大切な同級生です。
今井くん
そうですね。やはり塾の友達というのは、同じ悩みや思いを共有してきている仲なので、受験を乗り切るために、一番重要な存在だったと思います。何を話していたのか、今すぐに頭に浮かばないのですが、毎日の何でもないありふれた会話が、かなり精神面で救いになっていたのかな、と。1年たって改めて振り返ってみると、そんな気がします。
杉下さん
それは私も同感です。心の支えという面で、塾の先生と友達が大きな支えになってくれていたのは、間違いないと思います。

―なるほど。塾で受験生同士が触れ合う時間も大切だということですね。今日は長い時間、ありがとうございました。

今井くん
ゲーム。一人でゲームに熱中することが、ストレス解消でした。あと、受験中も水泳はずっと続けていました。
加藤くん
鬼ごっこ。近所の友達を集めて、町内全体を使った、大規模な鬼ごっこをしたことです。とてもおもしろかったです。
杉下さん
カエルグッズ。「次の日ケロリ」というキャラクターのストラップなどを集めること。かわいくて、癒されました。
今井くん
家族。僕が勉強をしているときは、テレビをあまり観ないなど、家族が気を使ってくれたのでうれしかったです。
加藤くん
兄。巣鴨中学に通っている兄を見ると「兄が受かったんだから、僕だってできる!」とやる気がでました。
杉下さん
友達。同じ中学を志望している小学校の友達と「一緒に同じ学校へ行こうね。がんばろうね」と励まし合っていました。
今井くん
中学受験は、強い精神力を身につけることが重要です。90%が精神力、10%が体力の勝負だと思います。あきらめずにがんばってください。
加藤くん
最後に信じられるのは自分だけ」です。僕自身、周りの人のことが気になったこともありましたが、この言葉を胸に受験に挑みました。
杉下さん
受験直前期に、過去問対策をしっかりやっておくといいと思います。問題の形式や、傾向などを覚えるまで、とことんやりこんでください。
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