声に出して読みたい本
第7回
本を朗読し合うことで心地よい時間を味わおう

今回絵本をじっくり子どもに読んであげることは、聞き手の子どもだけでなく、読み手である親も優しい気持ちにしてくれるのです。小学生になって自分で本が読めるようになると、あの独特のの感覚がなかなか味わえなくなりますが、反対に子どもに本を朗読してもらうと、親もやはりうれしい気持ちになれるのです。さて、今回ご紹介する本は、声に出して読みたい本です。美しい語感をもつ日本語は、日本の財産といってもよいでしょう。朗読することの効用はともかく、子どもは「声に出して読むことの心地よさ」を、親には「子どもに読んでもらう楽しさ」をぜひ感じてほしいものですね。

『のはらうたⅠ』
工藤直子【作】84年刊/童話屋/1,313円
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素朴で温かみのある詩が子どもの創作意欲を刺激

「かまきりりゅうじ、みのむしせつこ、かぜみつる、きりかぶさくぞう、へびいちのすけ……野原のみんながしゃべったり歌ったりした言葉を、詩人の工藤直子さんが書き留めて本にしました」。そんな楽しい説明からこの 本は始まります。何とも素朴で親しみやすい詩に触れて、子どもたちは「自分でも詩をつくりたい・つくれる」と思ってくれるはず。「のはらうた」は子どもたちの感性を解き放ってくれます。ぜひ、野原の仲間になりきって、親子で声に出して読んでみてください。

『ことばのこばこ』
和田誠【著・絵】95年刊/瑞雲舎/1,835円
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しりとり、回文、なぞかけ 言葉遊びに親子で挑戦!

18種類の言葉遊びを、大判のイラストと一緒に楽しむ絵本。しりとり、句読点遊び、回文、かぞえうた、なぞかけ……と、親子で楽しめる言葉遊びが満載。日本語の楽しさを改めて感じることができます。国語への興味も自然とわいてくるでしょう。

『サーカス』
中原中也【詩】、斎藤孝【編】、にしむらあつこ【絵】08年刊/ほるぷ出版/1,260円
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中原中也の言葉とともに不思議な世界に迷いこむ

詩人・中原中也の詩を絵本にした作品です。サーカスの空中ブランコがゆれる音を「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」という独特の表現で表しています。声に出して読んでみると、何ともいえない不思議な語感と、サーカスの情景が見事に重なってきます。

『みみをすます』
谷川俊太郎【著】、柳生玄一郎【絵】82年刊/福音館書店/1,680円
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ひらがな詩のリズムに耳を奪われる感動の1冊

谷川俊太郎の6編のひらがな長編詩。声に出して読むと、心地よいリズム、ことばの響きの美しさに感じ入ります。「みみをすます きのうの あまだれに みみをすます みみをすます いつから つづいてきたともしれぬ ひとびとの あしおとに みみをすます」。ひらがなという文字の並びからこれほど迫力を持って情景を感じることができる、言葉の力に驚きます。詩と詩の間にはさみこまれた柳生玄一郎のシンプルながら力強い表情のイラストが、この作品の魅力をさらに高めています。

『わたしと小鳥とすずと ─金子みすゞ童謡集 』
金子みすゞ【著】84年刊/JULA出版局/1,260円
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50年の時を超えて響く金子みすゞの言葉たち

「わたしと小鳥とすずと」「草の名」をはじめ、金子みすゞの代表的な童謡60編近くを収めた童謡集。やわらかな語感で何とも優しい気持ちになれます。50年の時を超えて私たちの心に届く言葉を、ぜひ親子で声に出して読んでみてください。

『落語絵本12 ときそば』
川端誠【作・絵】07年刊/クレヨンハウス/1,260円
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江戸っ子言葉が新鮮な落語の名作

落語は「話す日本語」の芸術。江戸っ子のべらんめえ調を軽快なテンポで読んでみましょう。そばの屋台でお代をごまかす人を真似して大失敗する男を描いた名作「ときそば」。この作品が気に入ったら、落語絵本シリーズ全巻制覇に挑戦してみましょう!

『徳川家康 講談社火の鳥伝記文庫22 』
松本清張【著】、木俣清史【絵】82年刊/講談社/704円
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徳川家康の波乱万丈の人生を松本清張が綴る

戦国武将であり、また優れた政治家でもあった徳川家康の生涯を、推理小説家の松本清張が子どもたちにわかりやすい文章で書いています。織田信長、豊臣秀吉の天下統一が一代で終わったのに対し、徳川家康はその後300年間続く徳川幕府の組織制度をつくり上げました。3歳で母と生き別れ、6歳で織田家に売り渡され、8歳から12年間今川家で人質生活を送った幼少時の苦労が、その後の偉業に活きています。現代では考えられない彼の人生に、子どもたちは何を感じるでしょうか?

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