学習院中等科の陸上競技部主将をつとめる北條雄基くんは、今年8月、関東中学校陸上競技大会の100m走で入賞を果たしました。負けず嫌いの雄基くんの目指す先は、全国大会出場です。


悔しい気持ちを力に変えて全国大会出場に挑む

「速く走れると楽しくて、気持ちいい」 そう語るのは、学習院中等科2年で陸上競技部に所属する北條雄基君。今年9月、秋の都大会予選終了を機に主将に就任しました。

雄基君は短距離走の選手。8月に行われた関東中学校陸上競技大会において、2年生100m走の部で、7位入賞を果たしました。学習院中等科の陸上競技部は、公式競技会に積極的に部員を出場させ、これまでに東京都大会優勝、東京都私立中学大会総合優勝など、好成績をおさめています。そんな陸上競技部において、雄基君の関東大会入賞は、中等科史上3人目という、とりわけ輝かしいものとなりました。

しかしながら、雄基君にとって、11秒91というタイムは、決して納得のいくものではなかったようです。「予選大会でのタイムは全国大会へ出場するための条件になります。定められたタイムを上回らないと入賞しても全国大会出場はできません」悔しさを滲ませながら、雄基君は次なる目標に挑む覚悟を語ります。「来年は絶対に全国大会に出場したい。だから、課題の克服と調整を行って来年に備えるつもりです。特に大事なのは今年の冬。冬季の過ごし方で記録が変わると先生もおっしゃっていますので、この冬はしっかりと練習に励みたいと思っています」

日頃から雄基君を温かく見守るご両親は、出場する公式大会へ足を運んで声援を送ってきました。関東大会の競技直後は、気持ちを察して「お疲れさま」とひと言だけ声をかけたそうです。「競技中に雨がひどく降り始めたので、雄基だけでなくほかの選手にとっても走りづらい状況だったと思います。ただ、そういう試練を経験できたのは、本人のためにはよかったのかも」と、お母さんのなおみさんが大会当日を思い起こして話してくれました。

主将としての自覚が心の成長をもたらした

お父さんの博さんも、大会では競技中の雄基君の姿を録画して、ランニングフォーム改善の自主研究に協力しています。そもそも雄基君がスポーツに親しむようになったのは、博さんの影響だったそうです。「私が学生時代からサッカーを続けていたので、雄基は小さいうちからボール遊びをしていました。それで幼稚園に通う頃から、雄基をサッカーチームに入れたんです。小学生のときには、親子参加の陸上競技大会へ出場して一緒に走りました。ただ『やってみなさい』と言うよりも、自分も一緒になって身体を動かして、楽しむ姿を見せるぐらいのほうが、子どもは自然と興味を持つものなんですよね」

サッカーに打ち込んでいた小学生のときも、学校の運動会では徒競走でいつも一番だったとか。走ることの楽しさを知った雄基君に、知り合いの陸上関係者が「陸上競技に興味はある?」と声をかけてくれたそうです。その人の勧めもあって、神奈川県の小学生を対象とした陸上競技大会に出場。陸上競技のための練習をしていない状態ながら、100m走で4位になりました。そのときはサッカーをやめてまで陸上競技を始めようとは思わなかったものの、受験を経て学習院中等科へ進学すると、雄基君は陸上競技部への入部を決めました。「ひとつのきっかけは、やっぱり小学生のときに出た大会かもしれません。走り方もわからないまま出場しましたから、ちゃんと練習を積めばもっと速く走れるはずだと思ったんです。そのことがずっと心に残っていました。それと、学習院に人工芝のきれいなグラウンドがあったことも理由です。ここでなら、思いきり陸上に打ち込める気がしました。仮入部したときに先輩方がやさしくて、陸上競技部を選んでよかったと思いました」(雄基くん)

雄基君は1年生のときから活躍。東京都総体ではいきなり2位となり、東京都の代表として関東大会出場の権利を手にしました。ところが、関東大会では10番目の記録で予選落ち。今年の関東大会入賞は、雄基君にとっては雪辱を果たす結果だったのです。「それでも、本人は結果に満足していませんから、入賞祝いをしようと提案しても『お祝いはいらない』と言うんです。普段は穏やかな性格の子ですが、高い目標を掲げて懸命に努力する意欲的な一面が見られるようになりました。陸上競技部での活動のおかげだと感じています」(なおみさん)

主将になったこともあって、まわりの部員、特に後輩への気遣いが以前にも増してできるようになったのも、雄基君の大きな変化です。転機となったのは、中高陸上競技部が合同で行う恒例行事の夏合宿。長野の菅平高原で4泊5日にわたって毎年行われ、練習とミーティングを重ねながら団体生活を通じてチームとしての結束を固める場となります。「中等科と高等科の部員、先生方に加えて、OBの方たちも参加してくださるのが夏合宿の特徴です。普段、中高の部員が同じグラウンドで練習していても、会話をする機会は少ないです。だから、夏合宿は高等科の先輩たちと接してアドバイスをもらういいチャンス。今年の合宿では、熱心に指導をしてくださるOBの方がいらして、僕につきっきりで教えてくださいました。スタートダッシュなどの課題克服につながる指導をしていただいたおかげで、陸上競技に対する気持ちがますます強くなりました」(雄基くん)

また、合宿では中等科の部員はほかの学年の部員と相部屋になるように部屋割りが決められています。先輩、後輩としての自覚と思いやりの気持ちを育む時間をさらに持てるようにとの先生方の配慮によるものです。「昨年は自分が1年だったので感じませんでしたが、夏合宿を境にして1年生部員がチームに溶け込んでひとつになった気がします。僕自身も後輩にアドバイスを始めて、積極的に声を出せるようになりました」

人のためにすることが自分ががんばるきっかけにもなると気づいた雄基君。「速く走る自分」だけを追いかけていた以前とは違います。主将になって心境に変化が生じたようです。「個人競技の場合、100%の力を出しきって走れたらベストですよね。不思議なんですが、リレー競技だとバトンの渡し方ひとつで個人の力が120%になったように感じることがあるんです。だから、陸上競技は合同練習にもきちんと力を入れなければいけないし、日頃のチームワークが大切だと思います。前は自分の記録が伸びるのがうれしかった。けれど、今はまわりの部員やチームとしての記録が伸びていくのも、すごくうれしく感じます」

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