近年、どんどん実力をつけている、開智中学・高等学校の公式テニス部。中学部部長として、女子部員たちを引っ張る長谷川佳菜さんは、“みんなで強くなり、みんなで掴む勝利”を目指しています。


リーダーに必要なのは ときに人を叱れる強い心

1 愛用のテニスラケットは、ウィルソン製。
2 練習メニューは、体操→ランニング→球出しなどの基礎練習→個別練習
の流れで行われる。
3 サーブの練習をする佳菜さん。
4 開智中学・高等学校中学部女子テニス部20余名。

埼玉県南部にある開智中学・高等学校。東京ドーム8個分という敷地の一角から、活力ある声が響いてきます。「よろしくお願いします!」テニスコートに並ぶのは、20人ほどの中学部女子テニス部員。その中心に立っているのが、元気な声の主である、長谷川佳菜さんです。

佳菜さんは、中学部部長として部員を引っ張る、テニス部の中心選手。顧問の先生や部員からの信頼も厚いそうですが「実は人を指導するのはあまり得意ではないんです」と話します。「上手くなりたいなら自分自身に厳しくするのは当たり前ですが、部長として、みんなで強くなることを常に考えています。楽しいだけではなく、勝つための練習をしなければならないので、時には部員に対して厳しく接しなければいけません。でもそれは、やはり気持ちの面で大変です」(佳菜さん)

ストイックな佳菜さんの言葉の裏にはリーダーシップから来る気持ちのほかに、もうひとつの理由がありました。

開智中学・高等学校の高校部では、テニス部の先輩たちが華々しく活躍しており、近年順調に南部地区内でのポジションを上げているのです。「今年は、埼玉県南部地区2部リーグにまで昇格しました。私たちは、そのポジションを守らなければいけません」(佳菜さん)

その責任感に見合う努力を佳菜さんは惜しみません。今年の夏休みは、炎天下の中、6時間以上もテニスコートに立つ日々を過ごしてきました。テニスに打ち込む我が子を見て、お母さんの清美さんは、改めて娘の意思の強さを感じたそうです。「こうと決めたら信念を持って取り組む性格は、幼い頃から変わりません」(清美さん)

抜群の運動神経と折れない心が結果を残す

生まれた時から、佳菜さんは手足の力が強い子どもだったと言います。運動神経がずば抜けてよく、清美さんは何度も驚かされたそうです。「3歳の頃、自転車の補助輪をはずしてと言い出しました。きっと兄がそうして自転車を乗っているのを見たのでしょう。最初は止めましたが、どうしても外すと言って譲りません。一度だめなら懲りるだろうと外して乗らせたのですが、その日のうちに補助輪なしで乗れるようになってしまいました。そう言えば逆上がりも、3歳でマスターしていましたね」(清美さん)

小学4年生の時の体力測定では、立ち幅跳びで210㎝という記録を出しました。これは体育大学の学生並みの記録。そして小学校6年生では、春の戸田市陸上大会で、100mを14秒72というタイムで駆け抜け、優勝。佳菜さんの身体能力は、学校外でも評判でした。その証拠に、小学校を卒業する際には、「体育優良児童」として埼玉県体育協会から表彰されています。

テニスとの出会いは、小学3年生の時。お母さんが通うテニスの練習について行ったことからでした。「スポーツをやりたかったこともあり、3年から4年まで、週1回テニススクールに通いました。でも中学受験を考えていたので、今のように全力で取り組んだわけではないです」(佳菜さん)

小学3年生という時期には、佳菜さんにとってもうひとつ、ターニングポイントとなった出来事があります。それは、自分で中学受験を決めたこと。 その時のことを、清美さんは今でもはっきり覚えているそうです。「習い事としてピアノをやっていたのですが、ある日突然"私は中学を受験するから、ピアノは辞めてきた"と私に言うのです。あわててピアノ教室に確認すると、どうやら先生にも、受験があるので今日で辞めます、と言っていたようです」(清美さん)

まだ幼いと思っていた我が子の意思表示に、ただただ驚くばかりでした。「その時受験には正直賛成ではなかったのですが、あまりに強い意思に、認めざるを得ませんでした」(清美さん)

この時に、佳菜さんと清美さんは、ひとつ約束をしました。"自分の力で取り組んで、絶対に投げ出さないこと"「うちの教育方針でもあるのですが、一度決めたらいいかげんにはやらない、ということですね」(清美さん)

志望校として、通学に1時間かかる開智中学・高等学校を選んだのには、訳がありました。「テニスが好きになっていたので、硬式テニス部のある学校が第一条件でした。また、近所に住んでいる友人のお姉さんが開智に通っていた影響も大きいです。私ともよく遊んでくれ、憧れの存在でもあります。その人から、開智は雰囲気も自由で、テニス部も活気があると聞いたのです」(佳菜さん)

そして受験に合格し、晴れてテニス部に入部。中学1年で、そのリーダーシップを買われ、学年代表となりました。開智中学・高等学校の教育方針は「多くの人々の役に立つことを生きがいにできるリーダーを育成する」というもの。佳菜さんはそれにふさわしい資質を備えていたのです。

中3になり中学部部長となってすぐ、テニス部は大きな舞台で結果を出しました。春に行われた「平成22年度さいたま市中学校総合体育大会」団体戦で、3位という好成績を収めたのです。しかし佳菜さんには、うれしさより悔しさが残ったと言います。「負けた試合の対戦相手は浦和明の星女子中学校。5本中3本を獲られて負けてしまったのですが、接戦でした。自分も負け、申し訳なくて泣きました」

浦和明の星女子中学校は、結果優勝しました。あそこで勝てていれば、という思いが心をよぎります。それからはさらに練習の虫。誰よりも練習し、誰よりも部員に気を配っています。「たまに男子と練習する時もあります。やはり男子の球は重いですから、いい練習になります」(佳菜さん)

部活のない日にも、市営のテニスコートを予約して練習します。そのパートナーは、清美さんです。月に3〜4回は、一緒に汗を流します。「まだ娘には負けないつもりです。でもぐんぐん実力をつける様子を見るのは、うれしいものですね」(清美さん)

このように体育会系の道を歩んできた印象の佳菜さんですが、その夢は実は文化系。英語の予習は必ず毎日行ったり、休みの日にも必ず勉強する時間を作ったりと、勉強にも手を抜かず"文武両道"を実践しています。「将来の夢は、小説家。ものを書く仕事につきたいです」

持ち前の意思の強さに加え、テニス部で身につけた責任感は、どんな道に進もうと、佳菜さんを大きく羽ばたかせる力となるはずです。(清美さん)

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